【徹底比較】日経平均株価(日経225)をベンチマークとする投資信託【2022年上半期】
日経平均株価(日経225)は、日本を代表する株価指数として世界中で広く利用されています。その高い指標性は、相場動向を測る指標としてだけでなく、多くの金融商品でも活用されています。
国内の株式に投資する投資信託のベンチマークとしても有名です。日経平均株価(日経225)をベンチマークとする投資信託は非常に多く、つみたてNISA対応の投資信託は20本あります(2022年4月現在)。
今回は、日経平均株価(日経225)をベンチマークに採用するつみたてNISA対応の商品20本を多角的に比較し、当サイト独自のランキングを決めていきたいと思います。
いきなり結果発表
理由はこれから説明していきます。
ランキング候補一覧
日経平均株価(日経225)をベンチマークに採用するつみたてNISA対応の投資信託
商品名 | 委託会社 | 設定日 |
PayPay投信・日経225インデックス:PayPay | PayPayアセットマネジメント株式会社 | 2021年3月8日 |
朝日ライフ・日経平均ファンド(愛称:にぃにぃGo):朝日 | 朝日ライフアセットマネジメント株式会社 | 2000年11月30日 |
たわらノーロード・日経225:たわら | アセットマネジメントOne株式会社 | 2015年12月7日 |
しんきんノーロード日経225:しんきん | しんきんアセットマネジメント投信株式会社 | 2017年10月31日 |
iFree 日経225インデックス:iFree | 大和アセットマネジメント株式会社 | 2016年9月8日 |
つみたて日経225インデックスファンド:中銀 | 中銀アセットマネジメント株式会社 | 2022年2月14日 |
東京海上・日経225インデックスファンド:東京海上 | 東京海上アセットマネジメント株式会社 | 2016年10月27日 |
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・日経平均インデックスファンド:ニッセイ〈手数料なし〉 | ニッセイアセットマネジメント株式会社 | 2004年1月28日 |
ニッセイ・日経225インデックスファンド:ニッセイ | ニッセイアセットマネジメント株式会社 | 2016年11月21日 |
農林中金〈パートナーズ〉つみたてNISA日本株式・日経225:パートナーズ | 農林中金全共連アセットマネジメント株式会社 | 2017年12月19日 |
NZAM・ベータ・日経225:NZAM | 農林中金全共連アセットマネジメント株式会社 | 2020年2月13日 |
野村・インデックスファンド日経225(愛称:Funds-i 日経225):Funds-i | 野村アセットマネジメント株式会社 | 2010年11月26日 |
野村・つみたて日本株投信:野村 | 野村アセットマネジメント株式会社 | 2017年10月2日 |
SMBC・DCインデックスファンド(日経225):SMBC | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 | 2020年7月22日 |
i-SMT・日経225インデックス(ノーロード):i-SMT | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 | 2017年11月24日 |
SMT・日経225インデックス・オープン:SMT | 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 | 2010年7月30日 |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均):eMAXIS S | 三菱UFJ国際投信株式会社 | 2018年2月2日 |
eMAXIS 日経225インデックス:eMAXIS | 三菱UFJ国際投信株式会社 | 2009年10月28日 |
つみたて日本株式(日経平均):つみたて | 三菱UFJ国際投信株式会社 | 2017年8月16日 |
Smart-i 日経225インデックス:Smart-i | りそなアセットマネジメント株式会社 | 2017年8月29日 |
設定日が最も古いものは、2000年11月30日の朝日ライフ・日経平均ファンド(愛称:にぃにぃGo)、最も新しいものは2022年2月14日のつみたて日経225インデックスファンドです。
アクティブ運用のファンドはありません。
基準価額&騰落率ランキング
基準価額の上位4ファンド(SMT・日経225インデックス・オープン、〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・日経225インデックスファンド、野村・インデックスファンド日経225(愛称:Funds-i 日経225)、eMAXIS 日経225インデックス)はいずれも3万円を超えており、5位以下とは一線を画します。5位に19,178円の野村・インデックスファンド日経225(愛称:Funds-i 日経225)が続きます。
騰落率は、野村・つみたて日本株投信、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、Smart-i 日経225インデックスの3ファンドが跳びぬけて高く、いずれも40%以上となっています。その他の15ファンドも騰落率がマイナスになっているものはありません。
PayPay投信・日経225インデックスとつみたて日経225インデックスファンドは設定からの短く、2021年度の基準価額および騰落率が運用報告書に記載されていないため、グラフから抜けています。
純資産総額&資産の流入出ランキング
純資産総額は、〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・日経225インデックスファンドが他のファンドを圧倒し、20ファンドの中で唯一100,000百万円超の188,173百万円となっています。次いで、たわらノーロード・日経225、野村・インデックスファンド日経225(愛称:Funds-i 日経225)と続きますが、1位の3分の1以下の50,000百万円止まりです。
資産の流入出は、1~7の7段階で評価しています。いずれも、直近3年間(2019年~2021年)の資産の流入出の合計額を基準に評価をつけています。詳細は以下のとおりです。
- 50億円超のマイナス
- 10億円以上50億円未満のマイナス
- 10億円未満のマイナス~10億円未満プラス
- 10億円以上50億円未満のプラス
- 50億円以上200億円未満のプラス
- 200億円以上500億円未満のプラス
- 500億円以上のプラス
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・日経225インデックスファンドや野村・インデックスファンド日経225(愛称:Funds-i 日経225)は、純資産総額は大きいものの、直近3年間の資産の動きはマイナスとなっています。一方、たわらノーロード・日経225は資産が大きく流入しています。また、純資産総額では上位勢と画しますが、つみたて日本株式(日経平均)も静的な資産・動的な資産ともに良好です。
トータルリターン(平均年率)ランキング
トータルリターンは、設定から2022年4月または5月までの平均的な年率で表しています。具体的には、設定来のトータルリターンを設定から2022年4月または5月までの月数で除した値に12を乗じて得た数字となっています。
1位には20ファンドの中で唯一平均年率20%超となったSMT・日経225インデックス・オープンが入りました。次いで20%にあと少しだった野村・インデックスファンド日経225(愛称:Funds-i 日経225)と、eMAXIS 日経225インデックスが続きます。4位に15%手前のiFree 日経225インデックスがつけますが、5位以下は10位くらいまでほとんど差がありません。
ただし、期間を3年間に限定すると、リターンにほとんど差がないことがわかります。同じ指数をベンチマークとしているのですから当然といえば当然ですね。eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)とSmart-i 日経225インデックスはやや小さくなっていますが、抽出する3年間の期間を補正すると差はなくなります。
信託報酬ランキング
20ファンドの中で唯一0.1500%未満の信託報酬となっているのが、PayPay投信・日経225インデックスです。次いで、0.1540%で同率2位が4ファンド、0.1760%で単独6位、0.1870%で同率7位が4ファンドと、1位から11位までは信託報酬0.1%台でそこまで大きな開きはありません。12位以下も低コストとなっています。
また、20ファンドすべてにおいて、信託財産留保額(換金時手数料)は設定されておらず、購入時手数料が設定されているのもわずか3ファンド(SMT・日経225インデックス・オープン、野村・インデックスファンド日経225(愛称:Funds-i 日経225)、朝日ライフ・日経平均ファンド(愛称:にぃにぃGo))です。
おまけ
日経平均株価(日経225)をベンチマークに採用するつみたてNISA対応の投資信託(20ファンド)は、すべてインデックスファンドとなっています。インデックスファンドの重要な評価事項の1つに、「ベンチマークとの乖離度」があります。
インデックスファンドは、ベンチマークと乖離がないほど評価が高くなります。具体的には、基準価額の騰落率と、ベンチマーク騰落率を比較し、その差を乖離度として評価します。
当記事で紹介している20ファンドは、ベンチマークを大きく下回っているファンドはなく、ベンチマークとの連動性は良好です。むしろ、インデックスファンドにもかかわらず、ベンチマークを1.0%以上上回っているファンドも珍しくありません。
取引のしやすさランキング
インターネット証券大手5社で取り扱っているかのランキングとなります。インターネット証券大手5社は、SBI証券、楽天証券、松井証券、SMBC日興証券、マネックス証券としています。
20ファンド中15ファンドが大手5社のすべてまたはほとんどで取引が可能です。PayPay投信・日経225インデックスはSBI証券と松井証券で取引が可能です。SMBC・DCインデックスファンド(日経225)、農林中金〈パートナーズ〉つみたてNISA日本株式・日経225、しんきんノーロード日経225、つみたて日経225インデックスファンドは、インターネット証券では取り扱っておらず、特定の金融機関のみで取り扱っています。
当サイトの評価ランキング
当サイトでは、すべての投資信託において、純資産総額、資産の流入出、トータルリターン、信託報酬、ベンチマークとの乖離度、シャープレシオ、標準偏差の7項目を1~7段階(1が最も悪く7が最も良い)で評価値をつけています。7項目の合計値の順位も確認していきます。
下位の5ファンドは設定からの期間が浅く、すべての項目に評価値がついていないため、正確な順位になっていません。トップは合計33のニッセイ・日経平均インデックスファンドになりました。個別の項目では5位以内にほとんど入らなかったファンドが当サイトの評価値ではトップに立ちました。以下、たわらノーロード・日経225やつみたて日本株式(日経平均)の常連組が続きます。1位から9位の東京海上・日経225インデックスファンドあたりまでは、そこまで大きな差はありません。
総合ランキング
日経平均株価(日経225)をベンチマークに採用しているという性質上、トータルリターンが最も重視すべき指標となるでしょう。東証株価指数(TOPIX)やJPX日経インデックス400に比べると、分散性が低い代わりに変動制は高くなっています。国内の株式を投資対象とするインデックスファンドの中で、日経平均株価(日経225)をベンチマークに採用している投資信託を選んだ人は、収益性を狙っているはずです。ただし、直近3年間のトータルリターンを見ると、決め手になるほどの差はありません。
純資産総額は100億円を超えていれば問題ないでしょう。資産の流入状況や騰落率は将来性を表す指標でもあるため、重要な指標となります。信託報酬は目立って悪いものがないため、0.1%台のものに加点しておきましょう。
取引のしやすさは個人投資家を対象としたランキングにおいて重要です。大手のインターネット証券での取り扱っていないSMBC・DCインデックスファンド(日経225)、農林中金〈パートナーズ〉つみたてNISA日本株式・日経225、しんきんノーロード日経225、つみたて日経225インデックスファンドはランキングから除外せざるを得ません。当サイトの評価は参考程度の指標となります。
5位
つみたて日本株式(日経平均):三菱UFJ国際投信株式会社
信託報酬はギリギリ0.1%台に入っています(0.1980%)。その他の指標は4位以上に引けを取らないものになっています。当サイトの評価は3位、資産の流入出は最高の評価値である7、騰落率も30%を超えており、将来性も感じられます。5位に落ち着いた最大の理由は、3位のeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)の存在です。
4位
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・日経225インデックスファンド:ニッセイアセットマネジメント株式会社
信託報酬は競合よりもやや大きなっています。他の追随を許さない圧倒的な純資産総額と、設定から10年以上の実績を持つ安定感を高く評価しました。一方で、直近は資産が流出傾向にあるため、トップ3には食い込めなかった感じです。
3位
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均):三菱UFJ国際投信株式会社
全体的な指標はパッとしませんが、低コスト、50%前後の圧倒的な騰落率、直近の資産の流入状況など、将来性がきらりと光ります。また、当記事には現れていませんが、コマーシャル力も見逃せません。eMAXIS 日経225インデックスからの流入も見込まれます。
2位
iFree 日経225インデックス:大和アセットマネジメント株式会社
各指標のランキング常連です。すべての指標で高評価を得ています。1位よりも信託報酬は小さくなっている(低コスト)ものの、その他の指標が少しずつ劣っていたため、トップを取ることはできませんでした。それでも、非常に優秀なファンドであることは間違いありません。
1位
たわらノーロード・日経225:アセットマネジメントOne株式会社
僅差で2位に勝りました。決め手は純資産総額、資産の流入出、騰落率、当サイトの評価とどれも高評価であり、かつバランスが取れたファンドであるということでしょう。同シリーズの多商品も高品質であることもわずかながら後押ししました。
以上、日経平均株価(日経225)をベンチマークに採用するつみたてNISA対応の商品の独自のランキングでした。投資信託は日々変動していくものです。経過に応じて評価も変動していきます。今回のランキングも定期的に更新していきたいと思います。