年金請求書 Part2

 

 

国民年金や厚生年金保険の老齢給付を請求するときに作成する書類が、「年金請求書」です。

年金を受ける権利は所定の要件(保険料の納付期間、年齢など)を満たすことによって発生しますが、実際に年金を受けるためには請求することが必要で、年金を受ける権利を有する者(受給権者)が実施機関の裁定を受けなければ年金は支給されません。

年金の請求は年金請求書を提出することでなされます。ただし、年金はその額に関わる様々な要件や加算・減算の制度があり、年金請求書の記入事項も非常に膨大です。そのため、年金請求書の説明は3回に分けて行っていきます。

 

年金請求書の作成手順

 

それでは、年金請求書を一緒に作成していきましょう。

今回は、老齢厚生年金の受給権者である「大福餅人(だいふくもちひと)」さんをモデルに進めていきます。

 

 

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加入していない期間の情報

年金請求書 Part1では、年金制度の被保険者または組合員であった(年金制度に加入していた)期間の情報を記入しました。

年金請求書 Part2では、20歳から60歳までの間で、年金制度に加入していなかった期間の情報を記入します。

大福餅人さんは未加入の期間がなかったため、ここではすべて未記入となっています。

20歳~60歳の加入していない期間は、(自)に未加入の始まりの年月日、(至)に未加入の終わりの年月日を記入します。

年齢は、①の(自)および(至)それぞれの年月日における年齢を記入します。

左ページの該当番号は、年金制度に加入していなかった理由を、次のいずれかの番号から選んで記入します。

  • 配偶者が年金制度の被保険者または組合員であった期間
  • 配偶者が年金制度の⽼齢年⾦または退職年⾦を受けることができた期間
  • 本⼈または配偶者が年金制度の⽼齢年⾦または退職年⾦の受給資格期間を満たしていた期間
  • 本⼈または配偶者が年金制度から障害年⾦を受けることができた期間
  • 本⼈が年金制度から遺族に対する年⾦を受けることができた期間
  • 本⼈または配偶者が都道府県議会、市町村議会の議員および特別区の議会の議員ならびに国会議員であった期間
  • 本⼈が都道府県知事の承認を受けて国⺠年⾦の被保険者とされなかった期間
  • 本⼈が⽇本国内に住所を有さなかった期間
  • 本⼈が⽇本国内に住所を有した期間であって⽇本国籍を有さなかったため国⺠年⾦の被保険者とされなかった期間
  • 本⼈が学校教育法に規定する⾼等学校の⽣徒または⼤学の学⽣等であった期間
  • 本⼈が昭和61年4⽉以後の期間で年金制度の⽼齢または退職を事由とする年⾦給付を受けることができた期間(ただし、一部の制度の退職を事由とする年⾦給付であって年齢を理由として停⽌されている期間は除く)
  • 本⼈か配偶者が下記以外の年⾦や恩給を受けていた期間 
  • 上記のいずれにも該当しない期間

学校や勤め先等は、学校名、自営業の名称および自営業であったこと、専業主婦であったことなどを記入します。

住所は、「20歳~60歳の加入していない期間」における住所を市町村のみ記入します。

婚姻、配偶者の勤め先は、「20歳~60歳の加入していない期間」において、配偶者を有していた、かつ配偶者が勤務していた場合にその勤め先を記入します。

20歳から60歳までの間で、年金制度に加入していなかった期間で配偶者を有していた場合は、配偶者の情報(氏名、生年月日、基礎年金番号)も記入します。

 

年金の受給状況

併給調整
年金は、その受給権者が他の年金を受けることができるときは、その間、支給を停止するとされています。併給調整が円滑に行われるために、年金請求書において他の年金制度の受給状況を確認します。

①いずれかの年金制度を受けていますか。は、以下の年金制度を「1:受けている(全額支給停止の場合を含む)、2:受けていない、3:請求中」のいずれかの番号に〇を付けます。大福餅人さんはいずれの年金制度も受けていないため、「2:受けていない」に〇を付け、以下の②③は未記入となりました。

  • ア 国民年金法
  • イ 厚生年金保険法
  • ウ 船員保険法(昭和61年4月以後を除く)
  • エ 国家公務員共済組合法(JT、JR、NTTの三制度を含む)(昭和61年4月前の長期給付に関する施行法を含む)
  • オ 地方公務員等共済組合法(昭和61年4月前の長期給付に関する施行法を含む)
  • カ 私立学校教職員共済法
  • キ 廃止前の農林漁業団体職員共済組合法
  • ク 恩給法
  • ケ 地方公務員の退職年金に関する条例
  • コ 日本製鉄八幡共済組合
  • サ 改正前の執行官法附則第13条
  • シ 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法
  • ス 戦傷病者戦没者遺族等援護法

②「1:受けている」を〇で囲んだ方は、受けている年金制度の制度名、年金の種類、自年月(受給を開始した年月)年金証書の年金コードまたは記号番号等を記入します。

③「3:申請中」を〇で囲んだ方は、申請中の年金制度の制度名、年金の種類を記入します。

 

雇用保険の加入状況

雇用保険(失業等給付)との調整
65歳未満の者に支給する老齢厚生年金は、その受給権者が求職の申し込みをしたときは、当該求職の申し込みがあった月の翌月から支給を停止するとされています。雇用保険(失業等給付)との調整が円滑に行われるために、年金請求書において雇用保険(失業等給付)の加入状況を確認します。

①雇用保険に加入したことがありますか。は、「はい、いいえ」のいずれかに〇を付けます。

②①「はい」を〇で囲んだ方は、雇用保険番号を記入します。

雇用保険番号(被保険者番号)
雇用保険に加入している個人に割り振られた番号です。4桁-6桁-1桁の合計11桁の数字で構成されています。最初に就職した会社がハローワークに被保険者資格取得届を提出した後に発行される「雇用保険被保険者証」に記載されており、退職や転職をしても変わらず一生同じ番号を使います。

③「いいえ」を〇で囲んだ方は、下欄の事由書のア~ウの該当するものに〇を付け、事由書欄の下の氏名に署名します。

④60歳から65歳になるまでの間に、雇用保険の基本手当(船員保険の場合は失業保険金)または高年齢雇用継続給付を受けていますか(または受けたことがありますか)。は、「はい、いいえ」のいずれかに〇を付けます。

 

配偶者の情報

①配偶者はいますかは、「はい、いいえ」のいずれかに〇を付けます。「はい」に〇がついた場合は、配偶者の情報を記入します。

②配偶者の氏名は、氏と名に分けて記入します。フリガナも記入します。

③生年月日は、年号を「大正、昭和、平成」のいずれかに〇を付け、年月日を記入します。

④個人番号は、配偶者の個人番号(マイナンバー)を記入します。個人番号(マイナンバー)が不明な場合は、基礎年金番号を記入しても構いません。

個人番号(マイナンバー)
個人の識別番号として、日本において行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づき、各市区町村から住民に指定される12桁の番号です。
基礎年金番号
1997年(平成9年)1月から導入された、公的年金の加入者全員に与えられるすべての公的年金に共通の管理番号です。4桁-6桁の合計10桁の数字で構成されており、番号は原則的に生涯変わりません。基礎年金番号は年金手帳などで確認することができます。

⑤性別は、「1:男、2:女」のいずれかの番号に〇を付けます。

⑥郵便番号および住所は、受給権者と配偶者の住所が異なる場合に、配偶者の郵便番号と住所を記入します。

 

配偶者および子の情報

①配偶者の年金制度の受給状況は、前述の「年金の受給状況」のア~スの年金制度を「1:老齢・退職の年金を受けている、2:障害の年金を受けている、3:請求中、4:いずれも受けていない」のいずれかの番号に〇を付けます。大福餡子さんはいずれの年金制度も受けていないため、「4:受けていない」に〇を付け、以下の②~④は未記入となりました。

②「1:老齢・退職の年金を受けている」または「2:障害の年金を受けている」を〇で囲んだ方は、受けている年金制度の制度名、年金の種類、自年月(受給を開始した年月)年金証書の年金コードまたは記号番号等を記入します。

③「3:申請中」を〇で囲んだ方は、申請中の年金制度の制度名、年金の種類を記入します。

④一定の要件に該当する子の情報は、18歳になった後の最初の3⽉31⽇までにある、または20歳未満で国⺠年⾦法施⾏令別表に定める障害等級1級および2級の障害の状態にある子がいる場合に、その子の氏名、生年月日、個人番号、障害の状態を記入します。

 


 

以上で、年金請求書 Part2の作成が終わりました。

見直しまたは続きは、以下のリンクから進んでください。

 

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