安全衛生教育実施結果報告
安全衛生教育を実施したときに作成する書類が、「安全衛生教育実施結果報告」です。
安全衛生教育は、①雇入れ時・作業内容変更時の教育、②特別の教育、③職長等の教育で、実施の要件や教育の内容が異なります。②と③は実施の要件や教育の内容が煩雑ですから、ここでは割愛します。①の実施要件と教育内容は、次のようになっています。
実施の要件 | 教育の内容 |
基本的にはすべての労働者に実施しなければなりません。 ただし、十分な知識・技能があると認められる労働者は省略することができます。 また、安全衛生者を選任しない業種では、右記の①~④を省略することができます。 | ①機械・原材料などの危険性・有害性、それらの取り扱い方法に関すること ②安全装置・有害物抑制装置・保護具の性能、それらの取り扱い方法に関すること ③作業手順に関すること ④作業開始時の点検に関すること ⑤当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因および予防に関すること ⑥整理・整頓・清潔の保持に関すること ⑦事故時における応急措置および退避に関すること ⑧その他の安全または衛生のために必要なこと |
安全衛生教育実施結果報告の作成手順
それでは、安全衛生教育実施結果報告を一緒に作成していきましょう。
今回は、「ウミネコ建設 株式会社」の雇入れ時の教育の報告をモデルに進めていきます。
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報告期間および事業の情報
①日付を記入するところには、報告期間を記入します。基本的に4月1日から始まる1年間(年度)となります。
②事業場の名称、②事業場の所在地は、いずれもそのまま記入します。
教育の情報A
①教育の種類は、「イ:雇入れ時の教育、ロ:作業内容変更時の教育、ハ:特別の教育、ニ:職長等の教育」の中から該当するものを1つ選んで〇を付けます。
②教育実施月日は、①の教育を実施した日を記入します。
教育の情報B
①全労働者数、②教育の対象となる労働者数、③教育を省略できる労働者数、④教育を実施した労働者数は、いずれも男女計に分けてそのまま記入します。
⑤教育を省略した理由は、③の労働者がいる場合にその理由を記入します。
教育内容
①科目又は事項、②教育方法、③教育の内容、④教育時間、⑤使用教材等は、いずれも実施した内容をそのまま記入します。
前述の安全衛生教育の「実施の要件」や「教育の内容」をより具体化させて記入します。雇入れ時の教育については、教育方法(学科または実技など)、教育時間、使用教材等の規定はありません。
教育実施担当者
①氏名は、教育実施担当者の氏名を記入します。
②職名は、教育実施担当者の職名を記入します。「雲雀玉子」さんは安全課長、「家鴨巣貴」さんは労務課長の役職に就いています。
③資格は、教育実施担当者が取得している資格を記入します。
欄外下
①欄外下の日にちを記入するところには、安全衛生教育実施結果報告を提出する日を記入します。
②左端の「___労働基準監督署長 殿」には、事業場がある地域を管轄する労働基準監督署長の名称を記入します。「ウミネコ建設 株式会社」は、大阪府堺市中区にありますから、ここでは「堺」と記入します。
③事業者職氏名には、事業者の事業所の名称、事業主の職名、事業主の氏名を記入し、事業所または事業主の印鑑を押します。
以上で、安全衛生教育実施結果報告の作成が終わりました。
安全衛生教育の報告は年度単位で行われますが、その教育が年度をまたぐ場合には、開始時の日にちが入る年度に報告します。
たとえば、令和2年3月20日~令和2年4月10日に行われた安全衛生教育は、令和2年度ではなく、令和元年度に報告してください。
また、安全衛生教育は業務であるとみなされる場合もあります。雇入れ時の教育など、実施義務のある教育を使用者が所定労働時間外に行った場合には、時間外労働に対する割増賃金を支払わなければなりません。