建設工事土石採取計画届

 

 

建設業および土石採取業の仕事をするときに作成する書類が、「建設工事土石採取計画届」です。

建設工事土石採取計画届は、次のような仕事(労働安全衛生規則第90条)の開始日の14日前までに、その仕事が行われる場所を管轄する労働基準監督署に提出しなければなりません。

  • 高さ31メートルを超える建築物又は工作物の建設、改造、解体又は破壊の仕事
  • 最大支間50メートル以上の橋梁の建設などの仕事
  • 最大支間30メートル以上50メートル未満の橋梁の上部構造の建設などの仕事
  • ずい道などの建設などの仕事
  • 掘削の高さ又は深さが10メートル以上である地山の掘削の作業を行う仕事
  • 圧気工法による作業を行う仕事
  • 石綿などが吹き付けられている耐火建築物又は準耐火建築物における石綿などの除去の作業を行う仕事
  • ダイオキシン類対策特別措置法施行令別表第1第5号に掲げる廃棄物焼却炉を有する廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機などの設備の解体などの仕事
  • 掘削の高さ又は深さが10メートル以上の土石の採取のための掘削の作業を行う仕事
  • 坑内掘りによる土石の採取のための掘削の作業を行う仕事

 

建設工事土石採取計画届の作成手順

 

それでは、建設工事土石採取計画届を一緒に作成していきましょう。

今回は、「ウミネコ建設 株式会社」の代表取締役である「鷲野翅子(わしのはねこ)」さんをモデルに進めていきます。

 

 

事務所やデスク周りに必要なものは楽天市場 でお得にそろえましょう!



 

事業の情報

*建設工事の場合は土石採取に二重取り消し線を、土石採取の場合は建設工事に二重取り消し線を記入します。

①事業の種類は、次の区分から当該事業の内容に最も適したものを選択して記入します。今回はトンネルを含む道路を建設する予定ですから、事業の種類は「道路建設工事」と記入します。

水力発電所建設工事ずい道建設工事
地下鉄建設工事鉄道軌道建設工事
棟梁建設工事道路建設工事
河川土木工事砂防工事
土地整理土木工事その他の土木工事
鉄骨鉄筋コンクリート造家屋建築工事鉄骨造家屋建築工事
その他の建築工事又は設備工事採石業
砂利採取業その他土石採取業
井上とまと

労災保険率適用事業細目表に記されている「事業の種類」の中から選ぶわけではありません。

②事業の名称は、その事業所の名称を記入します。主となる事業所の名前+工事名というかたちで記入されることが多いです。

③仕事を行う場所の地名番地は、そのまま記入します。仕事を行う場所が、複数の地域にまたがるときは仕事の開始地点などを記入しましょう。

住所未定の場合
工事の開始段階では、住所が定まっていない場合もあるため、工事を行う場所はおおよその地名や番地を記入するだけでも構いません。
井上とまと

主となる事業所の所在地を記入するわけではありません。あくまでも「仕事を行う場所」の地名を記入しなればなりません。

 

仕事の内容

①仕事の範囲は、建設物などの高さ(深さ)や距離(面積)などを記入します。労働安全衛生規則第90条の区分により記入するようにしてください。ここでは「掘削の高さ20m・延長200m」と記入します。

②発注者名は、発注者の名前を記入します。今回は、大阪府の道路交通課から依頼を受けているため、発注者名には「大阪府道路交通課」と記入します。

③工事請負金額は、そのまま記入します。建設工事土石採取計画届作成時の予算で構いません。

井上とまと

発注者名および工事請負金額は、建設工事の場合に記入してください。

④仕事の開始予定年月日⑤仕事の終了予定年月日は、いずれもそのまま記入します。

 

参画者の情報

①計画の概要は、労働安全衛生規則第90条の区分の仕事であることがわかるような内容を記入します。また、工事の規模なども記入します。

②参画者の氏名は、そのまま記入します。

参画者
労働安全衛生法第88条第4項に、「事業者は、第88条第1項の規定による届出に係る工事のうち厚生労働省令で定める工事の計画、同条第2項の規定による仕事の計画又は第3項の規定による届出に係る仕事のうち厚生労働省令で定める仕事の計画を作成するときは、当該工事に係る建設物若しくは機械等又は当該仕事から生ずる労働災害の防止を図るため、厚生労働省令で定める資格を有する者を参画させなければならない。」と規定されています。条文中の「資格」については、特別な規定はありません。

③参画者の経歴の概要は、参画者の学歴、所有している資格、職歴、勤務年数などを記入します。

 

仕事の規模

①主たる事務所の所在地は、そのまま記入します。仕事を行う場所に主たる事務所もある場合は、「仕事行う場所の地名番地」と同じになります。

②使用予定労働者数は、届出をする事業者が直接雇用する労働者集を記入します。

③関係請負人の予定数は、関係請負人の労働者数を記入します。

④関係請負人の使用する労働者予定数の合計は、仕事の期間中の延べ人数を記入します。

井上とまと

たとえば、関係請負人の予定数が30人で、繁忙期に一時的に人員を10人増やすときは、30人+10人となり、関係請負人の使用する労働者予定数の合計に40人と記入します。

 

欄外下

①欄外下の日にちを記入するところには、建設工事土石採取計画届を提出する日を記入します。

②左端の「___労働基準監督署長 殿」には、主たる事業者の事業所がある地域を管轄する労働基準監督署長の名称を記入します。「ウミネコ建設 株式会社」は、大阪府堺市中区にありますから、ここでは「堺」と記入します。

③事業者職氏名には、主たる事業者の事業所の名称、事業主の職名、事業主の氏名を記入し、それぞれの事業所または事業主の印鑑を押します。

 


 

以上で、建設工事土石採取計画届の作成が終わりました。

労働安全衛生法に係る届出に共通することですが、届出の中に名前や所在地を複数記入する欄があるため、その欄に適した情報を記入するようにしてください。

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA