断続的な宿直又は日直勤務許可申請書
労働者を宿直または日直勤務させるときに作成する書類が、「断続的な宿直又は日直勤務許可申請書」です。
使用者が労働者に宿直または日直の勤務に就かせるためには、断続的な宿直又は日直勤務許可申請書を行政官庁に提出し、断続的な宿直又は日直勤務許可証を発行される必要があるだけでなく、次のような要件を満たしていなければなりません。
- 宿直勤務1回についての宿直手当(深夜の割増賃金を含む)や、日直勤務1回についての日直手当の最低額が、当該事業所において宿直または日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われている賃金の平均額の3分の1を下回らないこと
- 勤務回数が、宿直勤務については週1回、日直勤務については月1回を限度としていること
- 通常の勤務から継続して宿直業務に入らないこと(30分以上の空きがあること)
- 宿直勤務については夜間に十分な仮眠が取れること
- 宿直または日直の勤務については、特殊の措置を必要としない軽度の短時間業務であること
病院の当直医師の場合、要件を満たしているかどうかをかなり厳しく審査されます。
断続的な宿直又は日直勤務許可申請書の作成手順
それでは、断続的な宿直又は日直勤務許可申請書を一緒に作成していきましょう。
今回は、「株式会社 ヤマノ金属」の代表取締役である「山野金男(やまのかねお)」さんをモデルに進めていきます。
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事業の情報
①事業の種類は、労災保険率適用事業細目表に記されている「事業の種類」の中から、その事業所に該当するものを選んで記入します。株式会社 ヤマノ金属は、自動車用の金属部品を製造しています。そのため、事業の種類は「金属材料品製造業」と記入します。
②事業の名称は、その事業所の名称を記入します。ここでは「株式会社 ヤマノ金属」と記入します。
③事業の所在地は、事業所がある場所の住所とその電話番号を記入します。
事業所の所在地 店舗、社屋、事務所などを持つ場合は、事業の所在地はその店舗などがある住所を記入します。一方、店舗などを持たずに事業を経営している場合(フリーランスなど)は、自宅などの主たる活動拠点を記入します。 |
宿直の基本事項
①総員数は、宿直勤務の対象となる労働者数を記入します。
②1回の宿直員数、③宿直勤務の開始及び終了時刻、④一定期間における1人の宿直回数は、いずれもそのまま記入します。
宿直または日直の要件 前述の宿直または日直の勤務の要件を踏まえ、「宿直勤務の開始及び終了時刻」は通常の勤務から連続し得ない時刻に、「一定期間における1人の宿直回数」は1週間に1回以下となるようにしましょう。 |
⑤1回の宿直手当は、賃金の平均額の3分の1を下回らない金額を記入します。
日直の基本事項
①総員数は、宿直勤務の対象となる労働者数を記入します。
②1回の日直員数、③日直勤務の開始及び終了時刻、④一定期間における1人の日直回数は、そのまま記入します。
宿直または日直の要件 前述の宿直または日直の勤務の要件を踏まえ、「日直勤務の開始及び終了時刻」は通常の勤務から連続し得ない時刻に、「一定期間における1人の日直回数」は1か月に1回以下となるようにしましょう。 |
⑤1回の宿直手当は、賃金の平均額の3分の1を下回らない金額を記入します。
就寝設備・勤務の態様
①就寝設備は、宿直勤務の待機所などにおける就寝設備を記入します。宿直を行わせる労働者が、十分な仮眠を取れるような設備になっている必要があります。
就寝設備 隔離された一定の広さの空間が設けられていることや、夏季や冬季でも快適に過ごせる冷暖房器具が備え付けられていることが必要です。 |
②③勤務の態様は、特殊の措置を必要としない軽度の短時間業務を記入します。電話対応や文書の収受がこれに該当します。
欄外下
①欄外下の日にちを記入するところには、断続的な宿直又は日直勤務許可申請書を提出する日を記入します。
②左端の「___労働基準監督署長 殿」には、その事業所の住所がある地域を管轄する労働基準監督署(長)の名称を記入します。ヤマノ金属は、埼玉県草加市栄町にありますから、ここでは「春日部」と記入します。
③使用者の情報は、事業所の名称、使用者の職名、使用者の氏名を記入し、事業所または事業主の印鑑を押します。
以上で、断続的な宿直又は日直勤務許可申請書の作成が終わりました。
また、断続的な宿直又は日直勤務許可申請書を作成し、断続的な宿直又は日直勤務の許可を得ようとするときは、次のような送付書類も必要です。
- 宿直または日直勤務の対象者の賃金一覧表
- 当該施設の平面図(宿直室の場所がわかるように色を付ける)
- 宿直室の写真(ベッド、洗面台、シャワー室など)
- 賃金台帳(宿直または日直勤務の対象者全員分)
- 宿直または日直予定表(前月1か月分)
- 宿直または日直の日誌の写し(前月1か月分)
- 就業規則もしくは雇用契約書の写し
- 年間総勤務日数がわかる書類