SBI-ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンド

 

 

SBI-ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンド(以下、ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンド)は、SBIアセットマネジメント株式会社(委託会社)のファンド・オブ・ファンズ方式のアクティブファンドです。

ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンドは、アジアの新興国の株式に投資する投資信託です。主に、バングラディッシュ、モンゴル、カザフスタン、スリランカ、ベトナムなどの労働人口の比率が高い地域の銘柄を中心にポートフォリオを構築しています。

アジアの新興国の株式への投資は、2つのファンド(ハーベス・アジア・フロンティア・エクイティファンド・クラスJ、FOFs用短期金融資産ファンド)を通じて行います。

 

ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンドの交付目論見書(2023年1月26日)はこちら

ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンドの交付運用報告書(第11期:2022年10月25日)はこちら

 


 

基本情報

単位型・追加型追加型
投資対象地域海外・アジア
投資対象資産株式
補足分類アクティブ型
投資形態ファンド・オブ・ファンズ
設定日2011年10月28日
決済日毎年10月25日(休業日の場合は翌営業日)
収益配分年1回
為替ヘッジなし
信託期間無制限
NISA

 

手数料

購入時手数料購入申込受付日の基準価額に3.30%(税抜:3.00%)をかけた額(上限)
信託財産留保額換金申込受付日の基準価額に0.30%をかけた額
運用管理費用(信託報酬)日々の純資産総額に年率1.4740%(税抜:年率1.3400%)以内をかけた額

 

ファンドの目的

投資信託財産の中長期的な成長を図ることを目指して運用を行う。

 

特色①

外国投資信託「ハーベスト・アジア・フロンティア・エクイティファンド・クラスJ」受益証券と、「FOFs用短期金融資産ファンド」受益権への投資を行い、ファンド・オブ・ファンズ方式で運用を行う。

ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンド:交付目論見書より
ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンド:交付目論見書より

 

特色②

外国投資信託「ハーベスト・アジア・フロンティア・エクイティファンド・クラスJ」受益証券への投資比率を高位に保つことを基本とする。

 

特色③

外国投資信託の運用については、「ハーベスト・グローバル・インベストメント・リミテッド(香港)」が行う。

 

特色④

外貨建て資産への実質的な投資にあたっては、原則として、為替ヘッジは行わない。

 

取り扱い証券会社

SBI証券取り扱い:〇
楽天証券取り扱い:〇
松井証券取り扱い:〇
SMBC日興証券取り扱い:〇
マネックス証券取り扱い:〇

 

運用実績(2022年10月31日時点)

設定からの期間11年(2011年10月28日~)
基準価額の増減10,000円⇒13,191円:3,191円
トータルリターン104.04%(2023年1月31日)
純資産総額25.2億円
分配金実績2020年10月:0円
2021年10月:0円
2022年10月:0円
設定来累計:6,000円
騰落率(基準価額:ベンチマーク騰落率)2020年:(4.2%)
2021年:37.9%
2022年:(20.2%)
収益率2018年:18.2%
2019年:(4.0%)
2020年:7.6%
2021年:23.1%
2022年:(14.9%)
ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンド:交付目論見書より
ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンド:交付目論見書より

 


 

当サイトの評価

項目数値評価
純資産総額25.2億円(2022.10.31)☆☆(Very Bad)
資産の流入出2020年:(60百万円)
2021年:808百万円
2022年:(340百万円)
☆☆☆(Bad)
トータルリターン3年:5.48%
5年:(2.96%)
設定来:6.54%
☆☆☆(Bad)
騰落率1年:(20.2%)
設定来:13.5%
☆☆☆(Bad)
信託報酬1.4740%(税込)☆☆(Very Bad)
ベンチマークとの乖離
シャープレシオ3年:0.39
5年:(0.09)
設定来:0.46
☆☆☆(Bad)
標準偏差3年:19.64
5年:17.16
設定来:16.56
☆☆☆(Slightly Large)

 

評価コメント

  • 基準価額:アジアの新興国の株式市場が下落したことなどがマイナスに寄与しました。結果、前期16,097円から当期12,838円(前年比-3,259円)に上昇しました。
  • 純資産総額:30億円未満の小規模ファンドです。
  • 資産の流入出:2021年は資産が流入しましたが、資産は流出傾向にあります。
  • トータルリターン:(直近3年間の)年率5.48%。大きなリターンは期待できません。
  • 信託報酬:税込み1.4740%。アクティブファンドの中でもコストは重く感じます。
  • ベンチマークとの乖離:交付運用報告書にベンチマーク騰落率の記載がないため、評価の対象としていません。
  • シャープレシオ:リスクに対するリターンはやや小さいです。
  • 標準偏差:基準価額のブレ幅は大きいです。

 

総評

SBI-ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンド(以下、ハーベスト・アジア・フロンティア株式ファンド)は、アジアの新興国の株式に投資する投資信託です。主に、バングラディッシュ、モンゴル、カザフスタン、スリランカ、ベトナムなどの労働人口の比率が高い地域の銘柄を中心にポートフォリオを構築しています。

インドに隣接するバングラディッシュは、衣料品や縫製品産業が盛んで、近年海外資本が流入している国です。中国の上に位置するモンゴルは、広大な平原で営まれる牧畜業が主産業で、鉱物などの天然資源もあります。中東諸国との境にあるカザフスタンは、石油や天然ガスなどの資源が豊富な国で、工業や農業の発展も目覚ましい輸出大国です。島国であるスリランカは、海洋資源に加えて農業や繊維業が盛んです。ベトナムは東南アジアのリゾート地として、不動産業や建築業に力を入れています。

このように、投資対象であるアジアの新興国(アジア・フロンティア地域)は、資本財に溢れた将来性の高い地域であり、グロース投資の醍醐味を味わうことができます。また、同地域は労働人口の比率も高く、これからますます発展する地域なるでしょう。ただし、これらの地域は地政学上、ロシアや中国の影響を大々的に受けます。今後のロシア-ウクライナ情勢や、中国の動向次第で、上にも下にもぶれるでしょう。

運用成績は総じて悪いと言わざるを得ません。上記の地域はまだまだ未開拓ということでしょう。純資産総額は30億円に届いておらず、何とも心もとない数字です。資産の流入出も芳しくなく、マイナスとプラスを行ったり来たりしながら、わずかにプラスを保っています。トータルリターンは直近3年間の年率が5%程度で、アクティブファンドとしては許容できるものではありません。コスト面も芳しくなく、購入時手数料や換金時手数料に加え、年率1.5%の信託報酬がのしかかります。リターンの割に重いコストやカントリーリスクが影響し、シャープレシオも小さくなっています。

特殊な地域に限局した投資が可能な当ファンドは、一見するとオリジナリティーがあって興味を惹かれますが、投資成果がうまく引き出されているかは疑問になるところです。いずれにしても、現在(2022年9月)の世界情勢の中で、当ファンドがどのような成績を上げるかは楽しみなところです。

 

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