【徹底解剖】つみたてNISA対象商品における5~6指数のベンチマーク

 

 

この記事でわかること

5~6指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は20本近く、その大部分が6指数をベンチマークとするものである。

5指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託2本は、それぞれ債券に投資しない、国内の資産に投資しないという特徴を持つ。

6資産をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託17本は、株式と債券の投資比率が同じものも多いが、株式重視型・債券重視型の商品のいくつかある。

 

  

5~6指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託の概要

 

5~6指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は、2022年4月現在、19商品(インデックス運用に限る)あります。内訳は、5指数2本、6指数17本となっています。

 

5指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託の対象資産は、次のような組み合わせになっています。

以下、特に断りがない限り、「先進国」と表記された場合は、「日本を除く先進国」を意味することとします。

  • 国内・国外複合型(日本の株式+先進国の株式+新興国の株式+日本の不動産投資信託証券(J-REIT)+先進国の不動産投資信託証券(G-REIT)):1本
  • 国外型(先進国の株式+新興国の株式+先進国の債券+新興国の債券+世界の不動産投資信託証券(G-REIT)):1本

 

6指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託の対象資産は、次のような組み合わせになっています。

  • 国内・国外複合型(日本の株式+日本の債券+先進国の株式+先進国の債券+新興国の株式+新興国の債券):5本
  • 国内・国外複合型(日本の株式+日本の債券+日本の不動産投資信託証券(J-REIT)+先進国の株式+先進国の債券+先進国の不動産投資信託証券(G-REIT)):4本
  • 国内・国外複合型(米国の株式+英国の株式+(英国を除く)欧州の株式+(日本を除く)太平洋地域の株式+日本の株式+新興国の株式+米国の債券+(米国を除く)世界の債券):7本
  • 国内・国外複合型(日本の株式+日本の債券+先進国の株式+先進国の債券+新興国の株式+先進国の不動産投資信託証券(G-REIT)):1本

 

5指数および6指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託ともに、資産の組み合わせにバリエーションがあります。ただし、ほとんどのファンドが、株式および債券に投資している商品であるため、2~4指数をベンチマークとする商品よりも、バランス型の投資信託の趣が強くなります。また、4指数をベンチマークとする商品よりも、シリーズ商品(運用の基本的な部分を同じにしつつ、資産の投資比率などにバリエーションを持たせた商品群)は少なくなっています。

 

2~4指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託の紹介

 

5指数

商品名信託報酬トータルリターン(平均年率)
ニッセイ・インデックス・パッケージ(内外・株式/REIT)(愛称:ファンドパック5)0.3564%10.11%
野村・インデックスファンド・海外5資産バランス(愛称:Funds-i 海外5資産バランス)0.6600%9.46%

 

6指数

商品名信託報酬トータルリターン(平均年率)
auスマート・ベーシック(安定成長)0.3850%3.91%
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・インデックス・バランスファンド(6資産均等型)0.1749%8.67%
世界6資産分散ファンド(愛称:コアシックス)0.5445%4.55%
野村・6資産均等バランス0.2420%8.41%
フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)20400.3800%7.96%
フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)20450.3800%15.56%
フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)20500.3800%13.80%
フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)20450.3900%21.24%
フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)20600.3800%11.47%
フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)20650.39900% 
フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)20700.3900% 
ブラックロック・つみたて・グローバル・バランスファンド0.6378%3.29%
SBI・資産設計オープン(つみたてNISA対応型)(愛称:スゴ6)0.5500%5.48%
SMT・世界経済インデックス・オープン0.5500%7.26%
SMT・世界経済インデックス・オープン(株式シフト型)0.6050%10.54%
SMT・世界経済インデックス・オープン(債券シフト型)0.4950%4.71%
eMAXIS 最適化バランス(マイゴールキーパー)0.5500%5.48%

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資産配分の比較:5指数

 

5指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は、以下の2本でした。

  • ニッセイ・インデックス・パッケージ(内外・株式/REIT)(愛称:ファンドパック5) 以下、ファンドパック5
  • 野村・インデックスファンド・海外5資産バランス(愛称:Funds-i 海外5資産バランス) 以下、Funds-i 海外5資産バランス

 

ファンドパック5は、日本の株式、先進国の株式、新興国の株式、日本の不動産投資信託証券(J-REIT)、先進国の不動産投資信託証券(G-REIT)の投資比率が均等(5分の1ずつ)です。今回紹介する19ファンド中、唯一債券に投資していないファンドです。

Funds-i 海外5資産バランスは、株式、債券、不動産投資信託証券(REIT)の投資比率が均等(3分の1ずつ)です。今回紹介する19ファンド中、唯一国内の資産に投資していないファンドです。

上記のような資産配分となっているため、5指数をベンチマークとする2ファンドは、6指数をベンチマークとするファンドよりも、投資目的がはっきりしやすく、つみたてNISA対応の他のバランス型の投資信託との差別化が容易です。

 

資産配分の比較:6指数

 

6指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は、以下の17本でした。

  • auスマート・ベーシック(安定成長)
  • 〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・インデックス・バランスファンド(6資産均等型)
  • 世界6資産分散ファンド(愛称:コアシックス)
  • 野村・6資産均等バランス
  • フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)2040
  • フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)2045
  • フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)2050
  • フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)2055
  • フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)2060
  • フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)2065
  • フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)2070
  • ブラックロック・つみたて・グローバル・バランスファンド
  • SBI・資産設計オープン(つみたてNISA対応型)(愛称:スゴ6)
  • SMT・世界経済インデックス・オープン
  • SMT・世界経済インデックス・オープン(株式シフト型)
  • SMT・世界経済インデックス・オープン(債券シフト型)
  • eMAXIS 最適化バランス(マイゴールキーパー)

 

投資対象は微妙に異なりますが、実質的に17ファンドすべてが4つの資産(国内の株式、国内の債券、外国の株式、外国の債券)に投資していると考えて問題ありません。ファンドごとの特色は4つの資産の投資比率と、残り2つの資産の組み入れ方にあります。残り2つの資産は、不動産投資信託証券を組み入れたり、株式や債券の地域・国別の区分けを細かくしたりと、商品によって様々な工夫が施されています。

 

上記のリストの青マーカー付きの商品は、債券の投資比率が大きい(基本的に60%以上)となっています。

auスマート・ベーシック(安定成長)は、国内の債券が全体の50%を占めており、国内の債券、(国内を除く)先進国の債券、新興国の債券を合わせると全体の65%を占めます。

SMT・世界経済インデックス・オープン(債券シフト型)と、eMAXIS 最適化バランス(マイゴールキーパー)は、株式の投資比率が25%、債券の投資比率が75%の商品です。投資対象の地域・国別の投資比率を国内総生産(GDP)に応じて調整しています。

 

上記のリストの黄マーカー付きの商品は、株式の投資比率が大きい(基本的に60%以上)となっています。

フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)シリーズは、時間経過に伴って資産の投資比率が変化する商品です。2022年8月時点では、シリーズ内の7ファンドのいずれも、株式優位(特に先進国株式)の運用になっています。ターゲット・イヤーに近づくにつれて債券の投資比率が高まります。

ブラックロック・つみたて・グローバル・バランスファンドは、株式の投資比率が60%、債券の投資比率が30%の商品です。

SMT・世界経済インデックス・オープン(株式シフト型)は、株式の投資比率が75%、債券の投資比率が25%の商品です。投資対象の地域・国別の投資比率を国内総生産(GDP)に応じて調整しています。

 

上記のリストのマーカーが付いていない商品は、株式と債券の投資比率が同じ(ほぼ同じ∓マイナス5%以内程度)となっています。

〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・インデックス・バランスファンド(6資産均等型)、野村・6資産均等バランス、SBI・資産設計オープン(つみたてNISA対応型)(愛称:スゴ6)は、株式と債券の投資比率が同じで、国内外の不動産投資信託証券(REIT)が含まれています。

世界6資産分散ファンド(愛称:コアシックス)は、株式と債券の投資比率が同じで、対象の地域・国が国内、(国内を除く)先進国、新興国の3つに分けられています。

SMT・世界経済インデックス・オープンは、株式と債券の投資比率が同じで、投資対象の地域・国別の投資比率を国内総生産(GDP)に応じて調整しています。

 

全体としては株式と債券の投資比率が同じになる商品が多いものの、株式優位の運用や債券優位の運用に傾いている商品もあります。フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)シリーズは、ターゲット・イヤーに応じて投資比率が変わるため、「いつ」売買するかが重要になってきます。ターゲット・イヤーが2040年、2050年に設定されている商品の運用状況を確認するといいでしょう(この2ファンドは他の5ファンドよりも設定日からの期間が長い)。

 

まとめ

 

5~6指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は20本近く、その大部分が6指数をベンチマークとするものである。

5指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託2本は、それぞれ債券に投資しない、国内の資産に投資しないという特徴を持つ。

6資産をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託17本は、株式と債券の投資比率が同じものも多いが、株式重視型・債券重視型の商品のいくつかある。

 

という特徴があります。

 

 

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