【徹底解剖】つみたてNISA対象商品における2~4指数のベンチマーク
2~4指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託の概要
2~4指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は、2022年4月現在、34商品あります。内訳は、2指数7本、3指数6本、4指数21本となっています。
2指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託の対象資産は、次のような組み合わせになっています。
- 国内型(国内の株式+国内の不動産投資信託証券(J-REIT)):2本
- 国外型(米国の株式+米国の不動産投資信託証券(REIT):1本
- 国内・国外複合型((国内を含む)先進国の株式+世界の債券):1本
- 国内・国外複合型(世界の株式+世界の債券):3本
3指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託の対象資産は、次のような組み合わせになっています。
- 国内型(国内の株式+国内の債券+国内の不動産投資信託証券(J-REIT)):2本
- 国内・国外複合型(国内の株式+(国内を除く)先進国の株式+新興国の株式):4本
4指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託の対象資産は、次のような組み合わせになっています。
- 国内・国外複合型(国内の株式+国内の債券+(国内を除く)世界の株式+(国内を除く)世界の債券):1本
- 国内・国外複合型(国内の株式+国内の債券+(国内を除く)先進国の株式+(国内を除く)先進国の債券):20本
2指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は、2指数の組み合わせにバリエーションがあるのに対して、3指数または4指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は、1~2パターンの組み合わせしかありません。特に、4指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は、国内の株式・国内の債券・(国内を除く)先進国の株式・(国内を除く)先進国の債券を組みわせたパターンがほとんどで、のちに詳細を説明しますが、投資比率が均一に設定されているものが多いです。
2~4指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託34本のうち、株式のみを投資対象としている商品は4本、株式と不動産投資信託証券(REIT)を投資対象としている商品は3本、株式と債券を投資対象としている商品は25本、株式と債券と不動産投資信託証券(REIT)を投資対象としている商品は2本となっています。
2~4指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託の紹介
2指数
商品名 | 信託報酬 | トータルリターン(平均年率) |
日本株式・Jリートバランスファンド | 0.2090% | 9.31 |
ドイチェ・ETF・バランスファンド(愛称:プラチナコア) | 0.4285% | 7.30% |
NZAM・ベータ・日本2資産(株式+REIT) | 0.2420% | 5.05% |
NZAM・ベータ・米国2資産(株式+REIT) | 0.4070% | 21.73% |
楽天・インデックス・バランスファンド(債券重視型)(愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス債券重視型)) | 0.1320% | 4.8% |
楽天・インデックス・バランスファンド(均等型)(愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス均等型)) | 0.1320% | 8.21% |
楽天・インデックス・バランスファンド(株式重視型)(愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス株式重視型)) | 0.1320% | 11.68% |
3指数
商品名 | 信託報酬 | トータルリターン(平均年率) |
グローバル株式ファンド(愛称:The GDP) | 0.4730% | 13.47% |
東京海上・円資産インデックス・バランスファンド(愛称:つみたて円奏会) | 0.4180% | 0.70% |
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・世界株式ファンド(GDP型バスケット) | 0.1144% | 29.53% |
ニッセイ・インデックス・パッケージ(国内・株式/REIT/債券)(愛称:ファンドパック日本) | 0.3102% | 2.36% |
ニッセイ・インデックス・パッケージ(内外・株式)(愛称:ファンドパック3) | 0.3564% | 8.97% |
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) | 0.1144% | 9.07% |
4指数
商品名 | 信託報酬 | トータルリターン(平均年率) |
auスマート・ベーシック(安定) | 0.3850% | 1,57% |
JP4資産均等バランス | 0.1073% | 6.61% |
ダイワ・ライフ・バランス30 | 0.1980% | 4.50% |
ダイワ・ライフ・バランス50 | 0.2200% | 7.13% |
ダイワ・ライフ・バランス70 | 0.2420% | 9.15% |
東京海上・ターゲット・イヤー・ファンド2035(年金コンパス) | 0.3080% | 11.17% |
東京海上・ターゲット・イヤー・ファンド2045(年金コンパス) | 0.3080% | 11.60% |
東京海上・ターゲット・イヤー・ファンド2055(年金コンパス) | 0.3080% | 12.34% |
東京海上・ターゲット・イヤー・ファンド2065(年金コンパス) | 0.3080% | 12.90% |
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・インデックス・バランスファンド(4資産均等型) | 0.1540% | 6,82% |
DCニッセイ・ワールド・セレクトファンド(安定型) | 0.1540% | 1.70% |
DCニッセイ・ワールド・セレクトファンド(株式重視型) | 0.1540% | 10.85% |
DCニッセイ・ワールド・セレクトファンド(債券重視型) | 0.1540% | 5.19% |
DCニッセイ・ワールド・セレクトファンド(標準型) | 0.1540% | 7.89% |
DCターゲット・イヤー・ファンド2040(4資産タイプ) | 0.4620% | 6.64% |
DCターゲット・イヤー・ファンド2045(4資産タイプ) | 0.4620% | 7.13% |
三井住友・DC年金バランス30(債券重視型) | 0.2420% | 3.81% |
三井住友・DC年金バランス50(標準型) | 0.2530% | 5.16% |
三井住友・DC年金バランス70(株式重視型) | 0.2640% | 6.36% |
eMAXIS バランス(4資産均等型) | 0.5500% | 6.42% |
つみたて4資産均等バランス | 0.2420% | 7.32% |
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資産配分の比較:2指数
2指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は、以下の7本でした。
- 日本株式・Jリートバランスファンド
- ドイチェ・ETF・バランスファンド(愛称:プラチナコア)
- NZAM・ベータ・日本2資産(株式+REIT)
- NZAM・ベータ・米国2資産(株式+REIT)
- 楽天・インデックス・バランスファンド(債券重視型)(愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス債券重視型)) 以下、楽天・バンガード・ファンド(バランス債券重視型)
- 楽天・インデックス・バランスファンド(均等型)(愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス均等型)) 以下、楽天・バンガード・ファンド(バランス均等型)
- 楽天・インデックス・バランスファンド(株式重視型)(愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス株式重視型)) 以下、楽天・バンガード・ファンド(バランス株式重視型)
日本株式・Jリートバランスファンドは、国内の株式と国内の不動産投資信託証券(J-REIT)の投資比率がおおむね1:1です。
ドイチェ・ETF・バランスファンド(愛称:プラチナコア)は、(国内を含む)先進国の株式と世界の債券の投資比率がおおむね1:1です。
NZAM・ベータ・日本2資産(株式+REIT)およびNZAM・ベータ・米国2資産(株式+REIT)は、それぞれ国内の株式と国内の不動産投資信託証券(J-REIT)、米国の株式と米国の不動産投資信託証券(J-REIT)の投資比率が均等です。
楽天・バンガード・ファンド(バランス債券重視型)、楽天・バンガード・ファンド(バランス均等型)、楽天・バンガード・ファンド(バランス株式重視型)は、世界の株式と世界の債券の投資比率が、それぞれ3:7、5:5、7:3に設定されています。
投資対象に債券を含むものは安定型の運用になります。債券の投資比率が高まると、より安定席な運用が可能になります。つみたてNISA対応の投資信託については、債券のみで運用している商品がないため、債券を含めた安定運用を目指すのであれば、複数の資産・指数を合わせた商品(いわゆるバランス型の投資信託)を選ぶしかありません。
資産配分の比較:3指数
2指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は、以下の6本でした。
- グローバル株式ファンド(愛称:The GDP) 以下、The GDP
- 東京海上・円資産インデックス・バランスファンド(愛称:つみたて円奏会) 以下、つみたて円奏会
- 〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・世界株式ファンド(GDP型バスケット) 以下、GDP型バスケット
- ニッセイ・インデックス・パッケージ(国内・株式/REIT/債券)(愛称:ファンドパック日本) 以下、ファンドパック日本
- ニッセイ・インデックス・パッケージ(内外・株式)(愛称:ファンドパック3) 以下、ファンドパック3
- eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
The GDPとGDP型バスケットは、その名のとおり国内総生産(GDP)比に応じて、国内の株式、(国内を除く)先進国の株式、新興国の株式に投資します。投資比率は、国内総生産(GDP)比に基づいて、5:55:40程度になっています。
つみたて円奏会とファンドパック日本は、国内の株式、国内の債券、国内の不動産投資信託証券(J-REIT)の投資比率が15:70:15に設定されています。
ファンドパック3とeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は、国内の株式、(国内を除く)先進国の株式、新興国の株式の投資比率が均等です。
6ファンドの中では、つみたて円奏会とファンドパック日本が圧倒的に安定運用です。The GDPおよびGDP型バスケットと、ファンドパック3およびeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は投資対象こそ同じであるものの、3つの資産の投資比率は異なります。世情を反映させた柔軟な運用を目指すのであればThe GDPおよびGDP型バスケットになりますし、運用を単純化させたのであればファンドパック3とeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)になります。
資産配分の比較:4指数
4指数をベンチマークとするつみたてNISA対応の投資信託は、以下の21本でした。
- auスマート・ベーシック(安定)
- JP4資産均等バランス
- ダイワ・ライフ・バランス30
- ダイワ・ライフ・バランス50
- ダイワ・ライフ・バランス70
- 東京海上・ターゲット・イヤー・ファンド2035(年金コンパス)
- 東京海上・ターゲット・イヤー・ファンド2045(年金コンパス)
- 東京海上・ターゲット・イヤー・ファンド2055(年金コンパス)
- 東京海上・ターゲット・イヤー・ファンド2065(年金コンパス)
- 〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・インデックス・バランスファンド(4資産均等型)
- DCニッセイ・ワールド・セレクトファンド(安定型)
- DCニッセイ・ワールド・セレクトファンド(株式重視型)
- DCニッセイ・ワールド・セレクトファンド(債券重視型)
- DCニッセイ・ワールド・セレクトファンド(標準型)
- DCターゲット・イヤー・ファンド2040(4資産タイプ)
- DCターゲット・イヤー・ファンド2045(4資産タイプ)
- 三井住友・DC年金バランス30(債券重視型)
- 三井住友・DC年金バランス50(標準型)
- 三井住友・DC年金バランス70(株式重視型)
- eMAXIS バランス(4資産均等型)
- つみたて4資産均等バランス
投資対象は微妙に異なりますが、実質的に21ファンドすべてが4つの資産(国内の株式、国内の債券、外国の株式、外国の債券)に投資していると考えて問題ありません。ファンドごとの特色は4つの資産の投資比率にあります。
上記のリストの青マーカー付きの商品は、債券の投資比率が大きい(基本的に60%以上)となっています。また、いずれの商品も国内の債券>外国の債券となっています。当然のことながら安定的な運用に向いています。
上記のリストの黄マーカー付きの商品は、株式の投資比率が大きい(基本的に60%以上)となっています。国内の株式と外国の株式の投資比率は商品によりまちまちですが、基本的に国内の株式優位となっています。
上記のリストのマーカーが付いていない商品は、株式と債券の投資比率が同じ(ほぼ同じ∓マイナス5%以内程度)となっています。
全体としては安定的な運用になる傾向があります。国内の株式、国内の債券、外国の株式、外国の債券という基本4資産に投資しているため、4指数をベンチマークとする投資信託は、オーソドックスなバランス型の投資信託であるといえます。