出向54日目:議員対応2
国家公務員としての発言は、基本的に間違いがあってはなりません。
そのため、国会答弁については、厳格すぎるチェック体制が整えられています。
メールや書面、電話などで対応する場合は、国会答弁ほど厳格なチェックではありませんが、少なくとも3者以上のクリアをとる必要があります。
クリアとるのに時間がかかりますが、文言や発言の責任は分散され、精神的なストレスは軽減されます。
一方、議員レクではその場で返答しなければならないため、絶対に間違えられないという緊張があり、精神的なストレスが大きいです。
加えて、一部の議員は役人の失言や隙を狙うような質疑を投げてくることもあります。
そのような質疑については、基本的に持ち帰ることが懸命です。
また、議員レクでは他局や他省庁の職員も参加することがあり、場合によってはそことの利害関係で揉めることもあります。
たとえば、議員から
「エビフライの尻尾は衛生上食べない方がいいと思うが、カルシウムの摂取という観点では食べた方がいいと言う意見もある。エビフライ省の見解はいかがか」
という問には、基本的にエビフライ省が答えますが、エビフライ省が正面から質疑を受けずに、
「エビフライ省ではすでに見解を出しているため、その問については、カルシウム省に確認していただきたい」
と回答すると、当然のことながらベクトルがカルシウム省に向きます。
こうなると、エビフライ省がカルシウム省に厄介を押し付けたような感じなり、カルシウム省はエビフライ省に対して裏で抗議することになります。
ここまでわかりやすい転嫁は、普通に対応していれば回避できますが、複雑なやり取りの中で他省に話を振ったときに、ネガティブな感情を抱かれることはあります。
国家公務員特有のことではないでしょうが、そういった部分にも注意が必要になります。