出向23日目:一般対応2
一般の方の声の多くは、コールセンターを通じて届きます。
具体的な数までは把握できていませんが、コールセンターにつながるすべての電話のうち、おおよそ1割程度が、コールセンターでは対応できず、○省で対応することになります。
コールセンターで対応できないレベルなので、私が対応する電話は一癖あるものが多いです。
FAQ(よくある質問とその模範的解答)だけでは答えられない質問、相手方の怒りや不安が強くてまともに会話できないもの、質問が抽象的過ぎて的を得ていないものなどが、特に対応の難しいケースです。
FAQだけでは答えられない質問については、丁寧に質問内容を聞き取り、○省として答えられる範囲で対応します。
90%あっているだろうということは、答えたくなりますが、100%あっているという確証がない限り、答えを控えておいた方がいいです。
中途半端肉耐えるくらいなら、多少面倒ではありますが、きちんと調べてから折り返す方がいいです。
このあたりは前職と大きく異なる点で、前職の電話対応は「〇〇だろう」とか「たぶん〇〇」とかを多用していました。
仮に〇〇の部分が間違っていたとしても、自分で後から修正をかけたり、取り繕ったりすることができました。
〇省ではそういったことができません。
自分のミス(失言)は、絶対に自分で取り返すことはできません。
大臣クラスでも取り返せず、「失言」として社会的な問題になることすらあるのですから。
相手方の怒りや不安が強くてまともに会話できないものについては、懇切丁寧に要望を聞くことしかできません。
一般の方からは「ここがおかしい」だとか「こうしてくれ」とか、ごもっともな意見を頂戴しますが、私にはそれを受け止めて政策の舵を切る権限はありません。
一ご意見として低頭して聞くことしかできません。
質問が抽象的過ぎて的を得ていないものは、会話中に一般の方の質問が空中分解することが多く、どっちらけ状態で終わることが多いです。