年金受給選択申出書

 

 

国民年金および厚生年金保険の給付の種類を選択するときに作成する書類が、「年金受給選択申出書」です。

国民年金および厚生年金保険における年金または保険給付は、受給権者が他の給付を受けることができるときは、その間、支給を停止するとされています。

 老齢基礎年金障害基礎年金遺族基礎年金
老齢基礎年金
障害基礎年金
遺族基礎年金

一方、国民年金の年金給付と同一の支給事由による厚生年金保険の年金給付については併給されます。

 老齢基礎年金障害基礎年金遺族基礎年金
老齢厚生年金
障害厚生年金
遺族厚生年金

たとえば、老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給者が、配偶者の死亡により、遺族基礎年金および遺族厚生年金の受給権も有した場合、①老齢基礎年金・老齢厚生年金を引き続き受給するパターン、②遺族基礎年金・遺族厚生年金に切り替えて受給するパターン、③老齢基礎年金・遺族厚生年金と変則的に受給するパターン(遺族厚生年金のうち、老齢厚生年金の額分までは老齢厚生年金が支給される)から、受給権者が選択して受給することになります。この給付の種類の選択は、年金受給選択申出書を提出することによってなされます。

 

年金受給選択申出書の作成手順

 

それでは、年金受給選択申出書を一緒に作成していきましょう。

今回は、老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給していた「饅頭栗弘(まんじゅうくりひろ)」さんが障害基礎年金および障害厚生年金を選択するときをモデルに進めていきます。

 

 

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届出日および個人番号

①欄外上の日にちを記入するところには、年金受給選択申出書を提出する日を記入します。

②個人番号(または基礎年金番号)および年金コードは、そのまま記入します。

個人番号(マイナンバー)
個人の識別番号として、日本において行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づき、各市区町村から住民に指定される12桁の番号です。
基礎年金番号
1997年(平成9年)1月から導入された、公的年金の加入者全員に与えられるすべての公的年金に共通の管理番号です。4桁-6桁の合計10桁の数字で構成されており、番号は原則的に生涯変わりません。基礎年金番号は年金手帳などで確認することができます。

 

給付の種類の選択

①選択方法は、「ア:国から支給される年金額を比較して、年金額が高い方を選択する。、イ:選択する年金を具体的に指定する」のいずれかの記号に〇を付けます。

②選択する年金の年金証書の年金コード③選択する年金以外の年金証書の年金コードは、いずれもそのまま記入します。

年金コード
老齢年金・遺族年金・障害年金など年金の種類を数字化して表したものです。年金証書には、基礎年金番号の欄の次に年金コードの欄があり、年金の種類を4桁の数字で表しています。年季コードはこちらで確認できます。

④65歳以上で障害給付の受給を選択する場合の併給方法は、「ア:障害基礎年金と障害厚生(共済)年金、イ:障害基礎年金と老齢厚生年金(退職共済年金)、または、障害基礎年金と遺族厚生年金(遺族共済年金)、ウ:障害基礎年金と老齢厚生年金(退職共済年金)の1/2と遺族厚生年金(退職共済年金)の2/3、エ:障害基礎年金の一部と遺族厚生年金(遺族共済年金)と旧老齢年金(旧退職年金)の一部」のいずれかの記号に〇を付けます。

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障害給付を選択しない場合は〇を付ける必要がありません。

⑤備考は、①で「イ:選択する年金を具体的に指定する」に〇が付いた場合にその理由を記入します。

 

生計維持申立

①加算額・加給年金額の対象者の氏名②生年月日③個人番号④受給権者との続柄は、いずれものそのまま記入します。

⑤障害の状態にありますかは、「ある、ない」のいずれかに〇を付けます。

 

受給権者の情報

①住所②氏名③生年月日④連絡先の電話番号は、いずれもそのまま記入します。氏名の横には印鑑を押します。

 


 

以上で、年金受給選択申出書の作成が終わりました。

年金受給選択申出書は、受給する給付の種類を変更すれば年金額が増えるという場合に作成することが多いです。国民年金および厚生年金保険の給付は裁定請求をすることで受給できるようになります。年金額を増やすことができるようになった場合も同様で、自動的に年金額が増えるわけではなく、受給権者が自ら請求しなければなりません。

 

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