年金請求書(国民年金障害基礎年金)

 

 

国民年金の障害給付を請求するときに作成する書類が、「年金請求書(国民年金障害基礎年金)」です。

年金を受ける権利は所定の要件(保険料の納付期間、年齢など)を満たすことによって発生しますが、実際に年金を受けるためには請求することが必要で、年金を受ける権利を有する者(受給権者)が実施機関の裁定を受けなければ年金は支給されません。

障害基礎年金は、疾病および負傷などの傷病の診断を受けた日(初診日)において被保険者であったものが、初診日から起算して1年6か月を経過した日または傷病が治癒した日(障害認定日)において、障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合に支給されます。

障害基礎年金は、年金請求書(国民年金障害基礎年金)を提出して裁定請求をするとともに、初診日や障害認定日の証明するものでもあります。

 

年金請求書(国民年金障害基礎年金)の作成手順

 

それでは、年金請求書(国民年金障害基礎年金)を一緒に作成していきましょう。

今回は、障害基礎年金の受給権者である「饅頭栗弘(まんじゅうくりひろ)」さんをモデルに進めていきます。

 

 

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受給権者の情報

①個人番号(または基礎年金番号)、は、そのまま記入します。

個人番号(マイナンバー)
個人の識別番号として、日本において行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づき、各市区町村から住民に指定される12桁の番号です。
基礎年金番号
1997年(平成9年)1月から導入された、公的年金の加入者全員に与えられるすべての公的年金に共通の管理番号です。4桁-6桁の合計10桁の数字で構成されており、番号は原則的に生涯変わりません。基礎年金番号は年金手帳などで確認することができます。

②生年月日③氏名は、いずれもそのまま記入します。

④性別は、「1:男、2:女」のいずれかの番号に〇を付けます。

⑤郵便番号は、そのまま記入します。

⑥住所は、市区町村から記入します。フリガナも記入します。

 

年金制度の加入状況

前述の受給権者の情報の①で記入した「基礎年金番号」以外の年金番号を持っている場合に、当該欄にそれぞれ必要な情報を記入します。

 

金融機関の情報

①年金受取機関は、「1:金融機関(ゆうちょ銀行を除く)、2:ゆうちょ銀行(郵便局)」のいずれかの番号に〇を付けます。下欄の「年金送付先」の記入欄が変わります。今回は、「1:金融機関(ゆうちょ銀行を除く)」に〇を付けました。

②口座名義人氏名は、氏と名を分けて記入します。フリガナも記入します。

③金融機関名称は、そのまま記入します。フリガナのも記入します。金融機関の種類や本店・支店の別などに〇を付けます。

④預金種別は、「1:普通、2:当座」のいずれかの番号に〇を付けます。

⑤口座番号は、そのまま記入します(左詰め)。

⑥金融機関またはゆうちょ銀行の証明欄は、銀行印を押してもらいます。ただし、通帳などの写しを添付する場合は不要です。

 

加算額の対象者

障害基礎年金の加算額の対象となる子の情報を記入します。

①氏名②生年月日は、いずれもそのまま記入します。

③障害の状態にある・ないは、「ある、ない」のいずれかに〇を付けます。

④個人番号は、そのまま記入します。

子の加算額
障害基礎年金の額は、受給権者によって生計を維持している子(18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある子および20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子)があるときは子1人につき、74,900円(2人目以降は224,700円)に改定率を乗じて得た額を加算するとしています。

 

年金の受給状況

①あなたは現在、公的年金制度等から年金を受けていますか。は、受給権者の年金受給状況(以下のア~スの受給状況)を、「1:受けている、2:受けていない、3:申請中」のいずれかの番号に〇を付けます。「3:申請中」に〇が付いた場合は、申請中の【制度名】と【年金の種類】も記入します。

公的年金制度等
ア 国民年金
イ 厚生年金保険
ウ 船員保険(昭和61年4月以後を除く)
エ 国家公務員共済組合(JT、JR、NTTの三共済組合を含む)(昭和61年4月前の長期給付に関する施行法を含む)
オ 地方公務員等共済組合(昭和61年4月前の長期給付に関する施行法を含む)
カ 私立学校教職員共済
キ 廃止前の農林漁業団体職員共済組合
ク 恩給
ケ 地方公務員の退職年金に関する条例
コ 日本製鉄八幡共済組合
サ 改正前の執行官法附則第13条
シ 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法
ス 戦傷病者戦没者遺族等援護法

②受けていると答えた方は下欄に必要事項をご記入ください。は、①で「1:受けている」に〇が付いた場合に、【制度名】、【年金の種類】、【年月日】、【年金コードまたは記号番号】を記入します。

③配偶者の氏名④配偶者の生年月日⑤配偶者の基礎年金番号は、いずれもそのまま記入します。

 

履歴(公的年金制度加入経過)

年金請求書(国民年金・厚生年金保険障害給付) Part1の記事を参考に記入します。

 

請求の内容

①この請求は左の頁にある「障害給付の請求事由」の1から3までのいずれに該当しますか。は、「1:障害認定日による請求、2:事後重症による請求、3:初めて障害等級に1級または2級に該当したことによる請求」のいずれかの番号に〇を付けます。「2:事後重症による請求」に〇が付いた場合は、下欄の「1:初診日から1年6月目の状態で請求した結果、不支給となった。、2:初診日から1年6月目の症状は軽かったが、その後悪化して症状が重くなった。、3:その他(理由   )」のいずれかの番号に〇を付けます。

障害認定日による請求
障害給付は、病気または怪我によって、初めて医師の診察を受けた日(初診日)から1年6か月目(その期間内に治ったときはその日)に一定の障害の状態にあるときに受けられます。この場合、年金請求書に添付する診断書は、初診日から1年6月目の障害状態がわかるものが必要です。なお、請求する日が、1年6月目より1年以上過ぎているときには、治癒したことにより請求するときを除き、初診日から1年6月目の診断書と請求時点の診断書が必要となります。
事後重症による請求
「障害認定日による請求」に該当しなかった人でもその後病状が悪化し、一定の障害の状態になったときには本人の請求により障害給付が受けられます。ただし、請求は65歳前に行わなければいけません。この場合、年金請求書に添付する診断書は、請求時における障害の状態がわかるものが必要です。また支給は請求した月の翌月分から行われます。
初めて障害等級の1級または2級に該当したことによる請求
65歳前に1つの障害と他の障害とを合わせて初めて2級以上の障害の状態になったときには障害給付が受けられます。この場合、年金請求書に添付する診断書は、初めて2級以上となったときのそれぞれの障害の診断書が必要です。なお、この事由による請求は今までに2級以上の障害給付を受けたことがある人、または2級以上の障害の状態になったことのある人は行うことができません。また支給は請求した月の翌月分から行われます。

②過去に障害給付を受けたことがありますか。は、「1:はい、2:いいえ」のいずれかの番号に〇を付けます。「1:はい」に〇が付いた場合は、障害給付の名称と年金基礎番号・年金コードも記入します。

 

障害の原因である傷病の情報

①傷病名②傷病の発生した日③初診日は、いずれもそのまま記入します。

④初診日において加入していた年金制度は、「1:国年、2:厚年、3:共済、4:未加入」のいずれかの番号に〇を付けます。

⑤現在傷病はなおっていますか。は、「1:はい、2:いいえ」のいずれかの番号に〇を付けます。「1:はい」に〇が付いた場合は、下欄の【なおった日】も記入します。

井上とまと

「なおった日」のことを治癒日もしくは症状固定日と言います。治癒日や症状固定日は障害認定日になり得ます。

⑥傷病の原因は業務上ですか。は、「1:はい、2:いいえ」のいずれかの番号に〇を付けます。「1:はい」に〇が付いた場合は、下欄の1~6の番号のうち、保険給付を受けることができるものに〇を付け、〇が付いたものの【給付の種類】と【支給の発生した日】を記入します。

⑦障害の原因は第三者の行為によりますか。は、「1:はい、2:いいえ」のいずれかの番号に〇を付けます。「1:はい」に〇が付いた場合は、下欄の【第三者の情報】も記入します。

⑧国民年金に任意加入した期間について特別一時金を受けたことがありますか。は、「1:はい、2:いいえ」のいずれかの番号に〇を付けます。

 

生計維持申立

①生計同一関係欄の日にちを記入するところには、生計維持を申し立てる日を記入します。

②請求者の情報は、住所、氏名を記入し、請求者の印鑑を押します。

③生計同一関係欄の右表には、請求者と生計を持している子の氏名と続柄を記入します。

④収入関係欄の子(名:  )について年収は、850万円未満ですか。は、(名:  )に子の名を記入し、「はい、いいえ」のいずれかに〇を付けます。

④で「いいえ」に〇が付いた場合は、当該欄の「はい、いいえ」にも〇を付けます。

⑥欄外下の日にちを記入するところには、本請求書を提出する日を記入します。

 


 

以上で、年金請求書(国民年金障害基礎年金)の作成が終わりました。

厚生年金保険の障害給付(障害厚生年金)を請求する場合(同時に障害基礎年金も請求する場合)は、年金請求書(国民年金・厚生年金保険障害給付)を提出しますが、国民年金の障害給付(障害基礎年金)を請求する場合(障害厚生年金は請求しない場合)は、年金請求書(国民年金障害基礎年金)を提出します。

 

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