国民年金・厚生年金保険 特別支給の老齢厚生年金受給権者 老齢基礎年金支給繰上げ請求書
特別支給の老齢厚生年金受給権者が老齢基礎年金の支給繰上げを請求するときに作成する書類が、「国民年金・厚生年金保険 特別支給の老齢厚生年金受給権者 老齢基礎年金支給繰上げ請求書(以下、老齢基礎年金支給繰上げ請求書)」です。
特別支給の老齢厚生年金の受給権者であって、次の要件に該当する者は、60歳から65歳に達する前に、日本年金機構に老齢基礎年金の支給繰上げを請求することができます。
- 昭和16年4月2日から昭和21年4月1日生まれの第1号女子
- 昭和16年4月2日から昭和22年4月1日生まれの特定警察職員など
- 昭和16年4月2日から昭和28年4月1日生まれの障害者・長期加入者である男子、第2号~第4号女子
- 昭和21年4月2日から昭和33年4月1日生まれの障害者・長期加入者である第1号女子
- 昭和22年4月2日から昭和34年4月1日生まれの障害者・長期加入者である特定警察職員など
- 昭和16年4月2日から昭和33年4月1日生まれの坑内員・船員
特別支給の老齢厚生年金における老齢基礎年金の支給繰上げは、特別支給の老齢厚生年金の受給権者のうちの一部者のみが対象となります。
老齢基礎年金支給繰上げ請求書の作成手順
それでは、老齢基礎年金支給繰上げ請求書を一緒に作成していきましょう。
今回は、特別支給の老齢厚生年金の受給権者である「大福餅人(だいふくもちひと)」さんをモデルに進めていきます。
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受給権者の情報
①個人番号(または基礎年金番号)および年金コードは、そのまま記入します。
個人番号(マイナンバー) 個人の識別番号として、日本において行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づき、各市区町村から住民に指定される12桁の番号です。 |
基礎年金番号 1997年(平成9年)1月から導入された、公的年金の加入者全員に与えられるすべての公的年金に共通の管理番号です。4桁-6桁の合計10桁の数字で構成されており、番号は原則的に生涯変わりません。基礎年金番号は年金手帳などで確認することができます。 |
年金コード 老齢年金・遺族年金・障害年金など年金の種類を数字化して表したものです。年金証書には、基礎年金番号の欄の次に年金コードの欄があり、年金の種類を4桁の数字で表しています。年季コードはこちらで確認できます。 |
②生年月日は、そのまま記入します。
配偶者の情報
①現在、公的年金制度等から老齢・退職または障害を支給事由とする年金を受けていますか。は、配偶者の年金受給状況を「ア:老齢・退職の年金を受けている、イ:障害の年金を受けている、ウ:いずれも受けていない」のいずれかの記号に〇を付けます。
②受けているときは、その公的年金制度等の名称および個人番号または年金証書の基礎年金番号・年金コード、恩給証書等の記号番号は、①で「ア:老齢・退職の年金を受けている」に〇を付けた場合に、受けている年金の情報を記入します。
③その支給を受けることになった年月日は、そのまま記入します。
年金の受給状況
①あなたは現在、特別支給の老齢厚生年金以外に公的年金制度から年金を受けていますか。は、受給権者のその他の年金受給状況を「ア:受けている、イ:受けていない、ウ:申請中」のいずれかの記号に〇を付けます。
②受けている方、請求中の方は、その制度の名称および個人番号または年金証書の基礎年金番号・年金コード(記号番号)をご記入ください。は、①で「ア:受けている」に〇を付けた場合に、受けている年金の情報を記入します。
③上記④の年金を受けている方は、その支給を受けることになった年月日は、そのまま記入します。
年金の加入状況
①60歳以後に公的年金制度に加入していたことがありますか。ある方は、次のページの「履歴」欄にご記入ください。は、「ある、ない」のいずれかに〇を付けます。「ある」に〇が付いた場合は、次のページの履歴欄に加入していたことのある公的年金制度の情報を記入します。
②繰上げの請求を行うことによる制約等を理解のうえ、老齢基礎年金の繰上げを請求しますか。は、「全部、一部」のいずれかに〇を付けます。
全部繰上げ・一部繰上げ 特別支給の老齢厚生年金の繰上げ支給では、老齢基礎年金の全部を繰上げするか一部を繰上げするかを選択することができます。全部を繰上げするか一部を繰上げするかによって、当然のことながら年金額も変わります。 |
欄外下
①欄外下の日にちを記入するところには、老齢基礎年金支給繰上げ請求書を提出する日を記入します。
②受給権者の情報は、郵便番号、住所、氏名、電話番号を記入します。氏名の横には受給権者の印鑑も押します。
履歴
「年金の加入状況」で、「60歳以後に公的年金制度に加入していたことがありますか。」の「ある」に〇を付けた場合は、履歴欄に加入していた年金の情報を記入します。
履歴欄に記入される情報は、すべて60歳から現在までに加入していた年金のことです。そのため、国民年金の情報は記入されません(国民年金の加入期間は、原則として60歳までであるため)。
生計維持申立
特別支給の老齢厚生年金の受給権者の配偶者および子が、生計維持要件を満たしていることを申し立てる場合に、当該欄に情報を記入します。
①配偶者および子の情報は、氏名、生年月日、受給権者との続柄、障害の状態の有無を記入します。生計維持要件を満たしている者全員の情報を記入します。
②2つのチェックリストは、「上記の者を、現在生計を維持していることを申し立てる。」、「上記の配偶者によって、私は生計を維持されていることを申し立てる。」の該当する▢に✓を入れます。
③欄外下の日にちを記入するところには、生計維持申立をする日を記入します。
④受給権者氏名は、そのまま記入します。
以上で、老齢基礎年金支給繰上げ請求書の作成が終わりました。
老齢基礎年金支給繰上げ請求書の作成はそう難しくありませんが、特別支給の老齢厚生年金受給権者における老齢基礎年金の支給繰上げの制度自体は、非常に複雑な内容になっていますから、以下のリンクなどを参照し、効果的に年金を活用することをおすすめします。
特別支給の老齢厚生年金受給権者における老齢基礎年金の支給繰上げ