年金請求書 195-4

 

 

厚生年金保険の特別支給の老齢厚生年金を受けていた人が、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を請求するときに作成する書類が、「年金請求書 195-4」です。

国民年金法の改正(旧法から新法への移行)により、旧法では60歳から年金を受給することができましたが、新法では65歳からしか年金を受給することができなくなりました。これにより保険料の払込、年金の受給体系、年金額が大幅に変更になりました。

しかし、被保険者期間が旧法と新法にまたがっている人については、不公平が生じる可能性があるため、年金の受給開始年齢を段階的に引き下げてきました(経過措置)。特別支給の老齢厚生年金は、経過措置である60歳から65歳に支給される老齢厚生年金のことを言います。

年金を受ける権利は所定の要件(保険料の納付期間、年齢など)を満たすことによって発生しますが、実際に年金を受けるためには請求することが必要で、年金を受ける権利を有する者(受給権者)が実施機関の裁定を受けなければ年金は支給されません。このことは、年金請求書で説明しました。

年金請求書 195-4は、特別支給の老齢厚生年金の請求の際、「年金請求書」をすでに提出しているゆえに、かなり簡略化した内容で、65歳からの老齢基礎年金および老齢厚生年金を請求することができるようになっています。

 

年金請求書 195-4の作成手順

 

それでは、年金請求書 195-4を一緒に作成していきましょう。

今回は、老齢厚生年金の受給権者である「大福餅人(だいふくもちひと)」さんをモデルに進めていきます。

 

 

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請求者の欄

①年金証書の基礎年金番号・年金コードは、そのまま記入します。

基礎年金番号
1997年(平成9年)1月から導入された、公的年金の加入者全員に与えられるすべての公的年金に共通の管理番号です。4桁-6桁の合計10桁の数字で構成されており、番号は原則的に生涯変わりません。基礎年金番号は年金手帳などで確認することができます。

②生年月日③住所(電話番号)④氏名は、いずれもそのまま記入します。住所は市区町村から記入します

 

加給年金額対象者の欄

加給年金額の対象となる配偶者および子の情報(氏名、生年月日)を記入します。

配偶者および子の要件
配偶者は、夫または妻のことをいい、婚姻の届け出はしていなくても、事実上「婚姻関係と同様の状態にある者」を含みます。 ⼦は、18歳になった後の最初の3⽉31⽇までの者、または20歳未満で国⺠年⾦法施⾏令別表に定める障害等級1級・2級の障害の状態にある者のことをいい、実子・養子の別を問いません。

 

繰下げ希望の欄

支給の繰下げ
老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権者であって、66歳に達する前に年金を請求していなかったものは、支給繰下げ(支給の開始時期を遅らせる)を申し出することができるとされています。支給繰下げを行うと、繰下げた月に0.007を乗じた割合を年金額に上乗せすることができます。また、老齢基礎年金または老齢厚生年金は片方だけ繰下げることもできます。

老齢基礎年金または老齢厚生年金の片方だけ繰り下げを希望する場合は、「老齢基礎年金のみ繰下げ希望、老齢厚生年金のみ繰下げ希望」のいずれかに〇を付けます。

井上とまと

老齢基礎年金および老齢厚生年金のいずれも繰下げを希望する場合は、本請求書を提出しないようにしてください。

 


 

以上で、年金請求書 195-4の作成が終わりました。

年金請求書 195-4は、特別支給の老齢厚生年金の支給が終了する前に、はがきまたは封書で届きます。

特別支給の老齢厚生年金は65歳で支給が終了し、65歳からの通常の老齢基礎年金および老齢厚生年金は、改めて請求しないと支給されません。

 

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