年金請求書 Part3

 

 

国民年金や厚生年金保険の老齢給付を請求するときに作成する書類が、「年金請求書」です。

年金を受ける権利は所定の要件(保険料の納付期間、年齢など)を満たすことによって発生しますが、実際に年金を受けるためには請求することが必要で、年金を受ける権利を有する者(受給権者)が実施機関の裁定を受けなければ年金は支給されません。

年金の請求は年金請求書を提出することでなされます。ただし、年金はその額に関わる様々な要件や加算・減算の制度があり、年金請求書の記入事項も非常に膨大です。そのため、年金請求書の説明は3回に分けて行っていきます。

 

年金請求書の作成手順

 

それでは、年金請求書を一緒に作成していきましょう。

今回は、老齢厚生年金の受給権者である「大福餅人(だいふくもちひと)」さんをモデルに進めていきます。

 

 

事務所やデスク周りに必要なものは楽天市場 でお得にそろえましょう!



 

加給年金額に関する申し立て

加給年金額
老齢厚生年金の額は、受給権者がその権利を取得した当時、その者によって生計を維持していた65歳以上の配偶者または子があるときは、加給年金額を加算した額とするとされています。加給年金額の加算が円滑に行われるために、年金請求書(Part2)において配偶者や子の基本的な情報を記入し、年金請求書(Part3)で申し立てを行います。

①氏名は、年金請求書(Part2)で記入した配偶者または子が、受給権者と生計を同じくしていることを申し立てる場合に、受給権者の氏名を記入し、印鑑を押します。

②配偶者または子の年収は、850万円(所得665.5万円)未満ですか。は「はい、いいえ」のいずれかに〇を付けます。

井上とまと

年収が850万円(所得665.5万円)以上になると生計同じくしているとみなされなくなります。

③配偶者または子の年収がこの年金の受給権(年金を受け取る権利)が発生したときから、おおむね5年以内に850万円(所得665.5万円)未満となる見込みがありますか。は、②で「いいえ」に〇を付けた場合に、設問に対して「はい、いいえ」のいずれかに〇を付けます。

④右下の日にちを記入するところには、加給年金額の申し立てをする日を記入します。

 

委任状

代理人に年金請求の手続きを委任する場合に記入します。

代理人の氏名、受給権者との関係、住所などを記入します。また、委任することの証明として、受給権者の基礎年金番号、氏名、生年月日、住所、委任する内容を記入します。

井上とまと

受給権者が高齢だったり、疾病または負傷をしていたりした場合、円滑に年金を請求できなくなる可能性が出てきます。年金は高齢者の重要なライフラインであるため、請求できないことにより年金を受け取れない状況をなくすため、代理人に手続きを委任することができる仕組みを設けています。

 

機構独自項目

おおむね昭和61年4月から導入した基礎年金制度(新法)以前の旧法において被保険者だった人や年金の受給権を得ていた人の詳細を確認する項目となっています。新法のみ適用される方や特殊な職種に就いていなかった人は、②と④の「いいえ」に〇が付いて終了となります。

①厚生年金保険・国民年金・船員保険の手帳記号番号は、受給権者が基礎年金番号と異なる記号番号の年金手帳などを持っている場合に、その年金手帳などの記号番号をすべて記入します。

②国民年金、厚生年金保険、または共済組合等の障害給付の受給権者で国民年金の任意加入をした方は、その期間について特別一時金を受けたことがありますか。③昭和36年4月1日から昭和47年5月14日までに沖縄に住んでいたことがありますか。は、いずれも「はい、いいえ」のいずれかに〇を付けます。

③厚生年金保険・国民年金・船員保険の手帳記号番号は、受給権者の配偶者が基礎年金番号と異なる記号番号の年金手帳などを持っている場合に、その年金手帳などの記号番号をすべて記入します。

④個人で保険料を納める第四種被保険者、船員保険法の年金任意継続被保険者となったことがありますか。は、「はい、いいえ」のいずれかに〇を付けます。「はい」に〇が付いた場合は、保険料を納めていた年金事務所の名称、保険料を納めた期間、整理記号番号も記入します。

⑤様式下の欄は、欄内の年金または恩給のいずれかを受けることができる場合には、その番号に〇を付けます。

井上とまと

受けているものではありません。受けている・受けていないにかかわらず、受けることができるものすべてに〇を付けます。

 

振替加算に関する申し立て

振替加算
大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた老齢基礎年金の受給権者のうち、65歳に達した日または65歳に達した日以後において、老齢厚生年金または障害厚生年金(障害基礎年金)の受給権者である配偶者に生計を維持されており、かつ加給年金額の計算の基礎となっていたことの要件を満たした場合は、老齢基礎年金の額に振替加算が行われるとされています。振替加算が円滑に行われるために、年金請求書(Part2)において配偶者や子の基本的な情報を記入し、年金請求書(Part3)で申し立てを行います。

①氏名は、年金請求書(Part2)で記入した配偶者または子が、受給権者と生計を同じくしていることを申し立てる場合に、受給権者の氏名を記入し、印鑑を押します。

②配偶者または子の年収は、850万円(所得665.5万円)未満ですか。は「はい、いいえ」のいずれかに〇を付けます。

井上とまと

年収が850万円(所得665.5万円)以上になると生計同じくしているとみなされなくなります。

③配偶者または子の年収がこの年金の受給権(年金を受け取る権利)が発生したときから、おおむね5年以内に850万円(所得665.5万円)未満となる見込みがありますか。は、②で「いいえ」に〇を付けた場合に、設問に対して「はい、いいえ」のいずれかに〇を付けます。

④右下の日にちを記入するところには、振替加算の申し立てをする日を記入します。

 

扶養親族等申告書A

扶養親族等申告書
扶養親族等申告書は、公的年金の税金に係る税金に関係するものとなります。控除対象となる配偶者や親族全員の情報を正確に記入することで、公的年金等控除などの所得控除の額を増やす(税金対策)ことができます。

①提出年は、扶養親族等申告書を提出する年を記入します。

②氏名は、氏と名に分けて記入します。フリガナも記入します。

③生年月日は、年号を「1:明、2:大、3:昭和」のいずれかに〇を付け、年月日を記入します。

井上とまと

平成や令和の表記はありません。国民年金や厚生年金保険の老齢給付は、早くても60歳からしか支給されません。平成や令和生まれで60歳に達していることはありません。

④住所は、市区町村から記入します。フリガナも記入します。

⑤郵便番号⑥基礎年金番号は、そのまま記入します。

基礎年金番号
1997年(平成9年)1月から導入された、公的年金の加入者全員に与えられるすべての公的年金に共通の管理番号です。4桁-6桁の合計10桁の数字で構成されており、番号は原則的に生涯変わりません。基礎年金番号は年金手帳などで確認することができます。

本申請書では空白となっていますが、他の様式では個人番号を記入する欄がある場合があります。

⑧提出日は、扶養親族等申告書を提出する年月日を記入します。

⑨電話番号は、そのまま記入します。

⑩本人障害は、「1:普通障害、2:特別障害」の該当する番号に〇を付けます。

⑪寡婦・寡夫は、「1:寡婦、2:特別寡婦、3:寡夫」の該当するものに〇を付けます。

⑫本人所得は、年間所得の見込額が900万円を超える場合に〇を付けます。

 

扶養親族等申告書B

①源泉控除対象配偶者または障害に該当する同一生計配偶者欄は、受給権者の扶養配偶者がいる場合に、その情報を記入します。記入事項は、氏名、続柄、生年月日、個人番号(マイナンバー)、種別、障害、同居・別居の区分、非居住者、所得金額です。

②控除対象扶養親族(16歳以上)欄には、受給権者の扶養親族(16歳以上)がいる場合に、その情報を記入します。記入事項は、氏名、続柄、生年月日、個人番号(マイナンバー)、種別、障害、同居・別居の区分、非居住者、所得金額です。

③控除対象扶養親族(16歳未満)欄には、受給権者の扶養親族(16歳未満)がいる場合に、その情報を記入します。記入事項は、氏名、続柄、生年月日、個人番号(マイナンバー)、種別、障害、同居・別居の区分、非居住者、所得金額です。

④摘要は、扶養親族に対する特記事項があれば記入します。

 


 

以上で、年金請求書 Part3の作成が終わりました。

見直しは、以下のリンクから進んでください。

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA