年金請求書 Part1

 

 

国民年金や厚生年金保険の老齢給付を請求するときに作成する書類が、「年金請求書」です。

年金を受ける権利は所定の要件(保険料の納付期間、年齢など)を満たすことによって発生しますが、実際に年金を受けるためには請求することが必要で、年金を受ける権利を有する者(受給権者)が実施機関の裁定を受けなければ年金は支給されません。

年金の請求は年金請求書を提出することでなされます。ただし、年金はその額に関わる様々な要件や加算・減算の制度があり、年金請求書の記入事項も非常に膨大です。そのため、年金請求書の説明は3回に分けて行っていきます。

 

年金請求書の作成手順

 

それでは、年金請求書を一緒に作成していきましょう。

今回は、老齢厚生年金の受給権者である「大福餅人(だいふくもちひと)」さんをモデルに進めていきます。

 

 

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受給権者の情報A

 

①郵便番号は、そのまま記入します。

②住所は、市区町村から記入します。フリガナも記入します。

③氏名は、氏と名に分けて記入します。フリガナも記入します。

④性別は、「1:男、2:女」のいずれかの番号に〇を付けます。

 

受給権者の情報Bおよび社会保険労務士の提出代行者欄

①社会保険労務士の提出代行者欄は、本請求書などの社会保険に関する事務処理を社会保険労務士や労働保険事務組合に委託している場合に、当該社会保険労務士や労働保険事務組合の氏名や名称を記入します。

②個人番号は、受給権者の個人番号(マイナンバー)を記入します。個人番号(マイナンバー)が不明な場合は、基礎年金番号を記入しても構いません。

個人番号(マイナンバー)
個人の識別番号として、日本において行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づき、各市区町村から住民に指定される12桁の番号です。
基礎年金番号
1997年(平成9年)1月から導入された、公的年金の加入者全員に与えられるすべての公的年金に共通の管理番号です。4桁-6桁の合計10桁の数字で構成されており、番号は原則的に生涯変わりません。基礎年金番号は年金手帳などで確認することができます。

③生年月日は、年号を「大正、昭和」のいずれかに〇を付け、年月日を記入します。

井上とまと

平成や令和の表記はありません。国民年金や厚生年金保険の老齢給付は、早くても60歳からしか支給されません。平成や令和生まれで60歳に達していることはありません。

④電話番号は、そのまま記入します。

 

金融機関の情報

①受取機関は、「1:金融機関(ゆうちょ銀行を除く)、2:ゆうちょ銀行(郵便局)」のいずれかの番号に〇を付けます。下欄の「年金送付先」の記入欄が変わります。今回は、「1:金融機関(ゆうちょ銀行を除く)」に〇を付けました。

②口座名義人氏名は、氏と名を分けて記入します。フリガナも記入します。

①金融機関名称は、そのまま記入します。フリガナのも記入します。金融機関の種類や本店・支店の別などに〇を付けます。

④預金種別は、「1:普通、2:当座」のいずれかの番号に〇を付けます。

⑤口座番号は、そのまま記入します(左詰め)。

⑥金融機関またはゆうちょ銀行の証明欄は、銀行印を押してもらいます。ただし、通帳などの写しを添付する場合は不要です。

 

年金の加入状況

年金の加入状況は、以下の年金制度の被保険者または組合員になったことがあるものすべてに〇を付けます。

  • ア 国民年金法
  • イ 厚生年金保険法
  • ウ 船員保険法(昭和61年4月以後を除く)
  • エ 国家公務員共済組合法
  • オ 地方公務員等共済組合法
  • カ 私立学校職員共済法
  • キ 廃止前の農林漁業団体職員共済組合法
  • ク 恩給法
  • ケ 地方公務員の退職年金に関する条例
  • コ 旧市町村職員共済組合法

 

履歴(公的年金制度加入経過)

①事業所(船舶所有者)の名称および船員であったときはその船舶名は、初めて年金制度の被保険者または組合員になったときの所属組織の名称を記入します。ただし、事業所などの組織に所属していなかった場合は空欄にしておきます。

井上とまと

厚生年金保険や共済組合などは、基本的に適用事業所などに雇用された時から被保険者や組合員となります。一方、国民年金は原則20歳に達した時から被保険者になります。大学や専門学校などに通っていた人は、20歳に達してからも就職していなかった人がほとんどでしょうから、「最初」の欄は空白となることが多いです。

学生納付特例
20歳に達してからも学生などである(学業により就職していなかった)被保険者から申請があったときは、その指定する期間(学生などである期間)に係る保険料につき、納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を保険料全額免除期間に算入することができます。ただし、当該期間も被保険者の資格は有し続けます。
井上とまと

また、明確な事業所を有しない状態で収益を得ていた(フリーランスなど)場合も、当該欄は空白になります。ただし、いずれの年金制度の被保険者または組合員でなかった期間は、当該欄を空白にするわけではなく、①~⑤までのすべての情報を記入せず、履歴からは除外します。

②事業所(船舶所有者)の所在地または国民年金加入時の住所は、①の事業所などの所在地を記入します。国民年金の被保険者だった期間は、被保険者の住所を記入しますが、自営により国民年金の被保険者になっていた場合は、自営を行っていた所在地を記入します。

③勤務期間または国民年金の加入期間は、①の事業所などにおいて被保険者の資格を取得した日から被保険者の資格喪失した日までの年月日を記入します。

井上とまと

請求時に年金制度の被保険者または組合員である場合は、③の最後は「現在」と記入します。

④加入していた年金制度の種類は、「1:国民年金、2:厚生年金保険、3:厚生年金(船員)保険、4:共済組合等」のいずれかの番号に〇を付けます。前述の「年金の加入状況」アは「1:国民年金」に、イは「2:厚生年金保険」に、ウは「3:厚生年金(船員)保険」に、エ~コは「4:共済組合等」に〇を付けます。

⑤備考は、特記すべきことがあれば記入します。

 


 

以上で、年金請求書 Part1の作成が終わりました。

続きは、以下のリンクから進んでください。

 

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