労働者災害補償保険 介護補償給付支給請求書

 

 

労働者災害補償保険(以下、労災保険)の介護(補償)給付を受けるときに作成する書類が、「労働者災害補償保険 介護補償給付支給請求書(以下、介護補償給付支給請求書)」です。

労働災害と認定され、その負傷や疾病に係る療養により、常時または随時介護を受けているときに、その介護にかかる費用が、労災保険によって(金銭的に)補償されます。これが労災保険における「介護(補償)給付」です。

井上とまと

労働災害が業務災害の場合は「介護補償給付」となり、通勤災害の場合は「介護給付」となります。

介護(補償)給付は、障害(補償)年金または傷病(補償)年金を受けている被災労働者が、常時または随時介護を要する状態にある場合に、被災労働者の請求に基づいて支給されます。「常時または随時介護を要する状態」とは、障害等級表の障害等級の第1級~第3級に該当する状態と規定されています。

また、介護保障給付は、月を単位として支給されます。

 

介護補償給付支給請求書の作成手順

 

それでは、介護補償給付支給請求書を一緒に作成していきましょう。

今回は、「Bug’s Style 株式会社」の労働者である「蝶野蜚敏(ちょうのとびとし)」さんをモデルに進めていきます。

 

 

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被災労働者の基本情報

①年金証書の番号は、障害(補償)年金または傷病(補償)年金の年金証書に記載されている「年金証書の番号」を記入します。

年金証書の番号
管轄局(2桁)、種別(1桁)、西暦年(2桁)、番号(4桁)の9桁で構成されています。このうち、左から3番目の種別(1桁)は、傷病(補償)年金の場合は1、障害(補償)年金の場合は3、遺族(補償)年金の場合は5となります。

②受給している労災年金の種類は、「傷病(補償)年金、障害(補償)年金」のいずれかのチェックボックスに✓を入れます。介護補償給付は、傷病(補償)年金、障害(補償)年金のいずれかの年金を受給していないと請求することができません。

③労働者の氏名④生年月日⑤住所は、いずれもそのまま記入します。氏名のカタカナ表記は、欄外右上の「標準字体」の規則に従って記入します。

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゛濁点も1マスに記入し、苗字と名前の間は1マス開けます。

 

請求年月日

①請求対象年月は、その元号を「7:平成、令和:9」のいずれかの番号を左端に記入し、続けて年月を記入します。年月が1桁の場合は、0⃣も記入します。令和4年3月運の請求をする場合は、「9⃣0⃣4⃣0⃣3⃣」と記入します。

②費用を支出して介護を受けた日数は、①の年月に費用を支出して介護を受けた日数を記入します。

③介護に要する費用として支出した費用の額は、②の期間に支出した費用を記入します。

介護(補償)給付
費用を支出して介護を受けた日の有無によって、支給される金額が異なります。逆に言えば、費用を支出して介護を受けた日がなくても、金銭が支給されます。ただし、費用を支出して介護を受けた日がない月の介護(補償)給付の額よりも、費用を支出して介護を受けた日がある月の介護(補償)給付の額の方が、支給される金額は大きくなります。また、介護に要する費用として支出した費用の額によっても、介護(補償)給付の額は変化します。
井上とまと

1枚の様式で最大3月分請求することができます。

 

金融機関の情報

給付の内容
介護(補償)給付は、現金が支給されます。しかし、現金は手渡しされるのではなく、金融機関への振込というかたちで行われます。そのため、振込先の金融機関の情報も記入しておく必要があります。

①区分は、「新規・変更」のいずれかに〇を付けます。初めて介護保障給付を受ける場合は、新規に〇が付きます。

②振込を希望する金融機関の名称は、金融機関の名称と本店・支店名を記入します。

③口座名義人は、基本的に被災労働者の口座となりますが、介護者の口座とすることもできます。

④預貯金の種別は、「1:普通、3:当座」のいずれかの番号を記入します。

⑤口座番号は、そのまま記入します。必ず左詰めで記入します。

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ゆうちょ銀行の場合は少し特殊な書き方になりますので、様式の注意書きをよく読んで記入しましょう。

⑥口座名芸人(カタカナ)は、欄外右上の「標準字体」の規則に従って記入します。

 

介護の内容

①介護を受けた場所等は、「イ:住居、ロ:施設等」のいずれかの記号の○を付けます。また、「ロ:施設等」に〇が付いた場合は、その施設の情報も記入します。

②介護に従事した者の氏名③生年月日④続柄は、いずれもそのまま記入します。

⑤介護期間・日数は、1か月区切りの介護期間と、その日数を記入します。日数はその月の暦日数が最大になります。

⑥区分は、介護の従事した者の区分を「イ:親族、ロ:友人・知人、ハ:看護師・家政婦又は看護補助者、二:施設職員」のから選んでその記号に〇を付けます。

*送付する書類は、前述の「介護に要する費用として支出した費用」がある場合や、施設で介護を受けている場合などで、送付書類があるときにその内容を記入します。

 

欄外下

には、本請求書が何の請求書であるかを示すために、該当する項目に〇を付けます。業務災害の場合は「介護補償年金」に、通勤災害の場合は「介護年金」に〇を付けます。

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①で〇を付けたものと、表題で〇を付けたものとに、ずれがないことを確認してください。

②左上の日にちを記入するところには、介護補償給付支給請求書を提出する日を記入します。

②「___労働基準監督署長 殿」には、事業所がある地域を管轄する労働基準監督署(長)の名称を記入します。「Bug’s Style 株式会社」は、愛知県名古屋市天白区にありますから、ここでは「名古屋東」と記入します。

④請求人の情報は、郵便番号、電話番号、住所、氏名を漏れなく記入し、印鑑を押します。

 

介護の事実に関する申立て

①住所②氏名③電話番号は、いずれも介護に従事した者が前述の情報の通り申立てをすることを示すために、介護に従事した者の情報を記入します。

 


 

以上で、介護補償給付支給請求書の作成が終わりました。

介護(補償)給付は、障害(補償)年金を受ける権利を有する者が請求する場合には、障害(補償)年金の請求と同時に請求しなければなりません。一方、傷病(補償)年金を受ける権利を有する者が請求する場合には、傷病(補償)年金の支給決定後に請求するものとしています。

また、介護補償給付支給請求書は、被災労働者が所属する事業所がある地域を管轄する労働基準監督署長に提出しなければなりません。

 

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