労働者災害補償保険 障害補償年金前払一時金請求書

 

 

労働者災害補償保険(以下、労災保険)の障害補償年金前払一時金を受けるときに作成する書類が、「労働者災害補償保険 障害補償年金前払一時金請求書(以下、障害補償年金前払一時金請求書)」です。

労働災害に係る負傷や疾病の治癒後、該当する障害等級に応じた障害が残った場合に、労災保険によって(金銭的に)支援される制度が、労災保険における「障害(補償)給付」であると、以前の記事で説明しました。

障害(補償)給付のうち、障害等級の第1級~第7級に該当する場合は、傷害(補償)年金として年金を受けることになります。障害(補償)年金では、障害等級に応じた額が1年ごとに支給されます。これにより、障害が残った被災労働者の生活が保障されます。しかし、被災労働者の生活状況によっては、年金ではなく、一時金としてまとまった額を受け取りたいと考えることもあります。

井上とまと

たとえば、後遺障害により、生活する場所を変えたり、福祉用具を導入したりする場合などのような場合です。

障害(補償)年金の一部を一時金として受け取りたい場合、被災労働者(請求者)が障害補償年金前払一時金請求書を作成し、所属する事業所がある地域を管轄する労働基準監督署長にを提出することになります。

前払一時金の額は、該当する障害等級に応じて、被災労働者(請求者)が選択することができます。また、「前払」という名の通り、前払一時金で受け取った額は、その後の年金額から差し引かれます。

 

障害補償年金前払一時金請求書の作成手順

 

それでは、障害補償年金前払一時金請求書を一緒に作成していきましょう。

今回は、「Bug’s Style 株式会社」の労働者である「蝶野蜚敏(ちょうのとびとし)」さんをモデルに進めていきます。

 

 

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請求人の情報

①年金証書の番号は、障害(補償)年金の年金証書に記載されている「年金証書の番号」を記入します。

年金証書の番号
管轄局(2桁)、種別(1桁)、西暦年(2桁)、番号(4桁)の9桁で構成されています。このうち、左から3番目の種別(1桁)は、傷病(補償)年金の場合は1、障害(補償)年金の場合は3、遺族(補償)年金の場合は5となります。

②請求人の氏名③請求人の生年月日④請求人の住所は、そのまま記入します。

 

請求する給付日額

①請求する給付日額は、障害等級の第1級~第7級に応じて、前払一時金の請求限度額が異なります。該当する障害等級欄の中から必要な額(正確には給付日額の日数)に〇を付けます。

②労災年金受給の有無は、「受けている、受けていない」のいずれかに〇を付けます。

 

欄外下

には、本請求書が何の請求書であるかを示すために、該当する項目に〇を付けます。業務災害により前払一時金を請求する場合は「障害補償年金」に、通勤災害により前払一時金を請求する場合は「障害年金」に〇を付けます。

井上とまと

①で〇を付けたものと、表題で〇を付けたものとに、ずれがないことを確認してください。

②左上の日にちを記入するところには、障害補償年金前払一時金請求書を提出する日を記入します。

③請求人の情報は、郵便番号、電話番号、住所、氏名を漏れなく記入し、印鑑を押します。

④「___労働基準監督署長 殿」には、事業所がある地域を管轄する労働基準監督署(長)の名称を記入します。「Bug’s Style 株式会社」は、愛知県名古屋市天白区にありますから、ここでは「名古屋東」と記入します。

 

金融機関の情報

①振り込みを希望する銀行等の名称は、前払一時金の振り込みを希望する金融機関の名称と、本店・支店名を記入します。

②預金の種類及び口座番号は、「普通・当座」のいずれかの番号に〇を付け、口座番号と名義人を記入します。

 


 

以上で、障害補償年金前払一時金請求書の作成が終わりました。

「障害補償年金前払一時金請求書(様式第10号)」は、業務災害における 障害補償年金前払一時金 を受けるときに作成する書類です。一方、通勤災害における障害年金前払一時金を受ける場合には、「 障害年金前払一時金請求書(様式第16号の7)」を作成します。

前払一時金の請求は、障害(補償)年金の請求の同時または請求後、1回に限り行うことができます。また、障害(補償)年金の支給後に前払一時金の請求をしたときは、該当する障害等級の請求上限額から、前払一時金の請求までに支給された年金の額を差し引いた額が修正上限額となります。

 

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