療養給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届
労働者災害補償保険(以下、労災保険)の療養の給付を受ける指定病院等を変更するときに作成する書類が、「療養給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届(以下、指定病院等変更届)」です。
労災保険における療養の給付は、指定病院等で受けることができますが、労働災害の発生後、事業所の近場の指定病院等に救急搬送された場合、退院後に被災労働者が通院できないこともあります。その場合、指定病院等変更届を変更した後の指定病院等に提出することで、療養の給付を受ける指定病院等を変更することができます。
指定病院等変更届の作成手順
それでは、指定病院等変更届を一緒に作成していきましょう。
今回は、「Bug’s Style 株式会社」の労働者である「蝶野蜚敏(ちょうのとびとし)」さんをモデルに進めていきます。
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欄外上
①右上の日にちを記入するところには、指定病院等変更届を提出する日を記入します。
②左端の「___労働基準監督署長 殿」には、事業所がある地域を管轄する労働基準監督署(長)の名称を記入します。「Bug’s Style 株式会社」は、愛知県名古屋市天白区にありますから、ここでは「名古屋東」と記入します。
③経由した医療機関名は、その名称を(括弧)に記入し、「病院、診療所、薬局、訪問看護事業者」のいずれかに〇を付けます。
変更前の指定病院等ではなく、変更後の指定病院等であることに注意してください。
④届出人の情報は、郵便番号、電話番号、住所、氏名を漏れなく記入し、印鑑を押します。
労働者の情報A
①労働保険番号は、事業所に振り出されている事業所番号を記入します。
労働保険番号 事業所(会社)が労働保険に加入したときに、労働基準監督署から振り出されるものです。番号は保険関係成立届で確認できますが、インターネット検索などでは確認できません。 |
下欄の「年金証書の番号」は、労災保険から年金を受けている場合に、その番号記入します。
②氏名は、被災労働者の氏名を記入します。性別も男女から選んで〇を付けます。
③生年月日、④住所、⑤職種は、被災労働者の情報をそのまま記入します。
⑥負傷又は発病年月日は、その日にちと発生した時刻を記入します。
災害の原因及び発生状況
労働災害と認定されるかどうかの1つの判断材料になりますので、できるだけ詳細に記入します。特に、労働災害の発生場所、発生時の作業内容、発生時の環境、不安全な状況および有害な状態、労働災害の内容が明確になるように意識して記入します。
事業所の情報
①欄内の日にちを記入するところには、前述の情報が正確であることを、事業所が証明した日を記入します。
②事業所の情報は、事業の名称、電話番号、所在地(郵便番号)、事業主の氏名を記入し、印鑑を押します。
指定病院等の変更
①変更前の名称・所在地は、変更前の指定病院等の情報を記入します。
②変更後の名称・所在地は、変更前の指定病院等の情報を記入します。
③変更理由は、療養の給付を受ける指定病院等を変更する理由を記入します。指定病院等の変更は、変更に値する理由がなければ認められません。地理的な理由、療養における専門性、かかりつけ医などの適切な理由が書かれていることが重要です。
④傷病名は、指定病院等から診断されたものを記入します。
事業所の情報および社会保険労務士記載欄
その他就業先の有無欄には、まず、その他の就業先の「有無」に〇を付けます。その他の就業先がない場合には、「無」に〇をつけて終わります。「有」に〇が付いた場合は、その他の情報を記入します。
社会保険労務士記載欄は、本申請書などの事務処理を社会保険労務士に委託しているときは、当該欄にその氏名を記入します。
以上で、指定病院等変更届の作成が終わりました。
通勤災害における療養給付(療養の給付)を受ける指定病院等を変更する場合は、「指定病院等変更届(様式第16号の4)」を作成しますが、業務災害における療養補償給付(療養の給付)を受ける指定病院等を変更する場合は、「指定病院等変更届(様式第6号)」を作成します。
前述していますが、指定病院等変更届は、「変更後」の指定病院等を経由して、事業所がある地域を管轄する労働基準監督署長に提出します。