健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届・70歳以上被用者賞与支払届
健康保険および厚生年金保険の被保険者に賞与を支払ったときに作成する書類が、「健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届・70歳以上被用者証書支払届（以下、被保険者賞与支払届）」です。
被保険者賞与支払届は、賞与を支払った日から5日以内に日本年金機構または健康保険組合に提出しなければなりません。
被保険者賞与支払届の作成手順
それでは、被保険者賞与支払届を一緒に作成していきましょう。
今回は、「株式会社 海洋メカニカル」の労働者である「鮭下洋（さけしたひろし）」さんと「鱒田潮助（ますたしおすけ）」さんをモデルに進めていきます。
事務所やデスク周りに必要なものは楽天市場 
でお得にそろえましょう！
提出者記入欄および社会保険労務士記載欄
①欄外上の日にちを記入するところには、被保険者賞与支払届を提出する日を記入します。賞与を支払った日から5日以内の日になるようにしましょう。
②事業所整理番号は、【群市区】の数字と、【記号】の文字を記入します。
| 事業所整理記号 「数字2桁のカタカナまたは英数4桁以内」や「漢字+ひらがな」など、自治体ごとに異なる形式で表されます。全国健康保険協会（協会けんぽ）に加入している場合は、事業所整理記号は健康保険証に記載された「記号」と変換可能 です。たとえば、「渋2いろは」という厚生年金保険の事業所整理記号は、全国健康保険協会（協会けんぽ）では「64010203」という数字になります。 |
③提出者の情報は、事業所所在地、事業所名称、事業主氏名、電話番号を漏れなく記入し、事業所または事業主の印鑑を押します。
④社会保険労務士記載欄は、本届出などの事務処理を社会保険労務士に委託しているときは、当該欄にその氏名を記入します。
賞与支払年月日（共通）
賞与を支払った日を記入します。海洋メカニカルでは、令和3年6月20日に賞与を支払ったため、ここでは「0⃣3⃣0⃣6⃣2⃣0⃣」と記入します。
以下の賞与を支払った被保険者の情報については、この「賞与支払年月日（共通）」の日に支払った被保険者の情報だけを記入していきます。たとえば、海洋メカニカルが、製造部には6月20日に賞与を支給し、営業部には7月10日に賞与を支給した場合、今回の書面では6月20日に賞与を支給した製造部の労働者（被保険者）だけを記入していきます。一方、7月10日に賞与を支給した営業部は、別の書面で当届出を作成していくことになります。
各被保険者の情報
①被保険者整理番号は、そのまま記入します。
| 被保険者整理番号 社会保険に加入したときに、会社内で1番から順に従業員に割り当てる番号です。新入社員など、新しく健康保険証を発行する場合は、直前に社会保険に加入した従業員の次の番号を採番します。従業員に被扶養者がいる場合は、従業員と同じ番号を割り当てます。 |
②氏名は、被保険者の氏名を記入します。
③生年月日は、被保険者の生年月日を記入します。元号は「3：大正、5：昭和、7：平成、9：令和」のいずれかの番号を記入し、－ハイフンの後に年月日を記入します。鮭下洋さんは平成元年11月11日生まれですから、ここでは「7-01111」と記入します。
④賞与支払額【通貨】・【現物】は、そのまま記入します。
⑤賞与額【合計】は、④の合計額から1,000円未満を切り捨てた額を記入します。
| 標準賞与額 ⑤の額が保険料の計算の基礎（標準賞与額）となります。ただし、標準賞与額には上限が設けられていて、健康保険法においては年間累計573万円、厚生年金保険法においては1か月あたり150万円となっています。 |
⑥個人番号（基礎年金番号）は、70歳以上被用者の場合に記入します。
⑦備考は、「1：70歳以上被用者、2：二以上勤務、3：同一月内の賞与合算」の該当する番号に〇を付けます。
以上で、被保険者賞与支払届の作成が終わりました。
その他、被保険者賞与支払届については、次のような注意も必要です。
- 二以上の事業所で賞与を受ける場合は、それぞれの事業所で受ける賞与額を合算した額とする。
- 産前産後休業、育児休業期間中であることにより、保険料が免除されている者についても、（賞与を受けた場合は）届出が必要になる。
- 同一月内に2回以上の賞与を受けた場合は、最後の賞与を支払った日から5日以内に、それらの賞与を一括して届け出ても差し支えない。
