健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届・70歳以上被用者不該当届
健康保険および厚生年金保険の被保険者が被保険者でなくなったときに作成する書類が、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届・70歳以上被用者不該当届(以下、被保険者資格喪失届)」です。
被保険者資格喪失届は、事業主に届け出義務があり、事業所の労働者が(一般の)被保険者の資格を喪失した日から5日以内に、日本年金機構または健康保険組合に提出しなければなりません。
健康保険および厚生年金保険の被保険者の資格は、次のいずれかに該当するに立った日の翌日に喪失します。
- 死亡したとき
- 適用事業所に使用されなくなったとき
- 適用除外の規定に該当するに至ったとき
- 任意適用事業所の取り消しの許可があったとき
被保険者資格喪失届の作成手順
それでは、被保険者資格喪失届を一緒に作成していきましょう。
今回は、「株式会社 海洋メカニカル」の労働者である「鮭下洋(さけしたひろし)」さんをモデルに進めていきます。
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提出者記入欄および社会保険労務士記載欄
①欄外上の日にちを記入するところには、被保険者資格喪失届を提出する日を記入します。資格喪失日から5日以内の日にちになるようにしましょう。
②事業所整理番号は、【群市区】の数字と、【記号】の文字を記入します。
事業所整理記号 「数字2桁のカタカナまたは英数4桁以内」や「漢字+ひらがな」など、自治体ごとに異なる形式で表されます。全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している場合は、事業所整理記号は健康保険証に記載された「記号」と変換可能 です。たとえば、「渋2いろは」という厚生年金保険の事業所整理記号は、全国健康保険協会(協会けんぽ)では「64010203」という数字になります。 |
③事業所番号(告知番号)は、事業所に振り出されて行番号を記入します。
事業所番号 年金事務所から事業所ごとに付与される5桁の数字です。年金事務所から送付される「適用通知書」や「保険料納入告知額・領収済額通知書」などに記載されています。 |
④提出者の情報は、事業所所在地(郵便番号)、事業所名称、事業主氏名、電話番号を漏れなく記入し、事業所または事業主の印鑑を押します。
⑤社会保険労務士記載欄は、本届出などの事務処理を社会保険労務士に委託しているときは、当該欄にその氏名を記入します。
被保険者の情報A
①被保険者整理番号は、そのまま記入します。
被保険者整理番号 社会保険に加入したときに、会社内で1番から順に従業員に割り当てる番号です。新入社員など、新しく健康保険証を発行する場合は、直前に社会保険に加入した従業員の次の番号を採番します。従業員に被扶養者がいる場合は、従業員と同じ番号を割り当てます。 |
②氏名は、被保険者の氏名を記入します。
③生年月日は、被保険者の生年月日を記入します。元号は「5:昭和、7:平成、9:令和」のいずれかの番号に〇を付け、右枠に年月日を入力します。鮭下洋さんは平成1年11月11日生まれですから、ここでは「0⃣1⃣1⃣1⃣1⃣1⃣」と記入します。
被保険者の情報B
①個人番号は、マイナンバーカードに記載されている12桁の番号を記入します。記入する際は必ず本人確認を行ってください。マイナンバーカードに記載されている個人番号がわからないもしくは、記入することを希望しない場合は、年金手帳などに記載されている10桁の基礎年金番号を記入することもできます。
②喪失年月日は、そのまま記入します。
死亡したり、退職したりした日の「翌日」であることに注意してください。たとえば、7月31日に離職したときの資格喪失日は8月1日になります。
③喪失(不該当)理由は、「4:退職等、5:死亡、7:75歳到達、9:障害認定」のいずれかの番号に〇を付けます。退職や死亡によって資格を喪失した場合は、(括弧)にその日にちも記入します。
④備考は、「1:二以上事業所勤務者の喪失、2:退職後の継続再雇用者の喪失、3:その他」のいずれかの番号に該当してれば〇を付けます。
⑤保険証回収は、添付する保険証があれば「添付__枚」にその枚数を記入します。保険証があるものの、紛失や諸事情により返却できない場合は、「返不能__枚」にその枚数を記入します。
⑥70歳不該当は、70歳以上の被用者が資格を喪失した場合に、チェックボックスに✓を入れ、不該当年月日にその日にちを記入します。
一般被保険者の資格喪失日は、資格喪失事由発生日(死亡や退職)の翌日ですが、70歳以上被用者の不該当日は不該当事由発生日(死亡や退職の)当日です。
以上で、被保険者資格喪失届の作成が終わりました。
被保険者が資格を喪失した(または70歳以上の被用者が不該当になった)ときには、被保険者資格喪失届に保険証を添付し、保険証を行政官庁に返却しなればなりません。ただし、任意継続被保険者になる場合は、その限りではありません。