雇用保険 事業主事業所各種変更届
雇用保険の適用事業所の名称や所在地が変わったときに作成する書類が、「雇用保険 事業主事業所各所変更届(以下、事業主事業所各所変更届)」です。
事業主事業所各種変更届は、事業主の氏名や住所、事業所の名称や所在地などに変更があったときに、その変更があった日の翌日から起算して10日以内に、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所に提出しなればなりません。
事業主事業所各種変更届の作成手順
それでは、事業主事業所各種変更届を一緒に作成していきましょう。
今回は、「株式会社 アニマル商事 旭川支店」の代表取締役である「狐中狸男(こなかたぬきお)」さんをモデルに進めていきます。
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基本情報
①変更年月日は、後述の「変更事項」が発生した年月日を記入します。「変更事項」が複数ある場合は、最後の「変更事項」が発生した年月日を記入します。
②設置年月日は、事業所を設置した年月日を記入します、雇用保険適用事業設置届の設置年月日と同じになります。
記入ルール まず元号を左端の▢に記入し、-ハイフンの後に年月日を記入します。元号は「3:昭和、4:平成、5:令和」のいずれかの番号を記入します。年月日が1桁の場合は、左側の▢に0を記入します。令和3年12月10日の場合は「5⃣-0⃣3⃣1⃣2⃣1⃣0⃣」と記入し、令和3年4月10日の場合は「5⃣-0⃣3⃣0⃣4⃣1⃣0⃣」と記入します。 |
③事業所番号は、その事業所に振り出されている事業所番号を記入します。
(雇用保険適用)事業所番号 雇用保険に加入している会社に対して振り出される11桁の番号のことです。公共職業安定所(ハローワーク)に雇用保険適用事業所設置届や雇用保険被保険者取得届を提出した後に、雇用保険適用事業所設置届事業主控(適用事業所台帳)が交付され、これに当該番号が記載されています。 |
変更事項
様式の通し番号5~11欄に、変更があった事項を記入します。
変更事項 5 法人番号 6 事業所の名称(カタカナ) 7 事業所の名称(漢字) 8 郵便番号 9 事業所の所在地 10 事業所の電話番号 11 労働保険番号 |
今回は事業所の所在地のみの変更となります。
各欄の記入方法については、適用事業設置届の記事で確認してください。
事業主の情報
①住所は、事業主もしくは主たる事務所の所在地を記入します。
法人の場合は主たる事務所の所在地、法人以外の場合は事業主の住所を記入します。
②名称は、事業所の名称を記入します。ここでは、「株式会社 アニマル商事」と記入します。
③氏名は、事業主もしくは代表者の氏名を記入し、印鑑を押します。
法人の場合は代表者、法人以外の場合は事業主を記入します。代表者を記入する場合は、その事業所における役職なども記入します。
変更後の事業の概要および変更の理由
①変更後の事業の概要は、おおよそ事業の種類や内容がわかるように記入します。アニマル商事は、日用品や雑貨の卸売りおよび小売りをしている会社です。所在地が変わっても、事業の内容は変わっていません。
②変更の理由は、「変更事項」の変更が生じた理由を記入します。今回は、「事業所の場所が変わったこと」が理由です。
*備考は、その他の特記事項があれば記入してください。
変更前の情報
①変更前の事業所の名称、②変更前の事業所の所在地は、いずれもそのまま記入します。
事業所の名称も所在地も変更していなかったとしても、必ず変更前の情報を記入してください。
事業の基本情報
①事業の開始年月日は、前述の設置年月日と同じになります。
②常時使用労働者数は、アルバイト、パートタイム労働者、契約社員などの雇用形態によらず、常態として使用している労働者の数を記入します。
③雇用保険担当課名は、雇用保険を担当する部署課名を記入します。
④社会保険加入状況は、それぞれ加入している保険に〇を付けます。
⑤雇用保険被保険者数は、一般被保険者と日雇労働被保険者に分けて、その数を記入します。アニマル商事では、「100人の労働者を雇用していて、そのうちの95人が一般被保険者、5人が日雇労働被保険者」となっています。
雇用保険の被保険者 雇用保険においては、適用事業に雇用される労働者が被保険者となりますが、被保険者には一般被保険者、高年齢被保険者(65歳以上の被保険者)、短期雇用特例被保険者(季節的に雇用される労働者)、日雇労働被保険者の2種類があり、それぞれ要件や給付の内容が異なります。 |
⑥賃金支払関係は、賃金締切日と賃金支払日にそれぞれ日付を記入します。賃金支払日は、賃金締結日と同月に支払う場合は「当」に〇を付け、賃金締結日の翌月に支払う場合は「翌月」に〇を付けます。
登録印・地図・労働保険事務組合記載欄(裏面)
登録印は、事業所印影と事業主(代理人)印影に、それぞれの印を押します。ただし、事業所名と事業主名が合わさった印鑑を使用する場合は、事業所印影にのみ印を押します。
地図には、最寄りの駅又はバス停から事業所への道順を記入します。それぞれの交通機関の停留所とその事業所は、必ず明記してください。近くに目印となる場所・建物がある場合は、それも記入しておくといいでしょう。
労働保険事務組合記載欄は、労働保険に係る事務処理を委託している場合には、それぞれの項目に必要な情報を記入します。
欄外下
①欄外下の日にちを記入するところには、事業主事業所各種変更届を提出する日を記入します。
②左端の「___公共職業安定所長 殿」には、事業場がある地域を管轄する公共職業安定所(長)の名称を記入します。「株式会社 アニマル商事」は、北海道旭川市東旭川町にありますから、ここでは「旭川」と記入します。
③事業主の情報は、住所、氏名、電話番号を漏れなく記入し、事業主または事業所の印鑑を押します。
氏名には所属や役職も記入します。
*社会保険労務士記載欄は、本届出などの事務処理を社会保険労務士に委託しているときは、当該欄に必要事項を記入します。
以上で、事業主事業所各種変更届の作成が終わりました。
事業所の所在地が、もともとの所在地の管轄外に移動した場合、事業主事業所各種変更届は、変更後(移動後)の所在地を管轄する公共職業安定所に提出します。