特定元方事業者事業開始報告

 

 

特定元方事業者が事業を開始するときに作成する書類が、「特定元方事業者事業開始報告」です。

特定元方事業者とは、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせるもののうち、建設業および造船業を行う者のことです。

 

特定元方事業者事業開始報告の作成手順

 

それでは、特定元方事業者事業開始報告を一緒に作成していきましょう。

今回は、「ウミネコ建設 株式会社」の代表取締役である「鷲野翅子(わしのはねこ)」さんをモデルに進めていきます。

 

 

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事業の内容

①事業の種類は、労災保険率適用事業細目表に記されている「事業の種類」の中から、その事業所に該当するものを選んで記入します。ウミネコ建設 株式会社では道路の工事を生業としています。そのため、事業の種類は「道路新設工事」と記入します。

②事業場の名称は、その事業場の名称を記入します。ここでは「ウミネコ建設 株式会社」と記入します。

③事業場の所在地(現場)は、そのまま記入します。仕事を行う場所が、複数の地域にまたがるときは仕事の開始地点などを記入しましょう。③事業場の所在地(店社)は、事業場の規模が小さいときに記入しますが、記入は任意となっています。

住所未定の場合
工事の開始段階では、住所が定まっていない場合もあるため、工事を行う場所はおおよその地名や番地を記入するだけでも構いません。

④事業の概要は、工事の内容を簡潔に記入します。

⑤常時就労労働者数は、元方事業者および関係請負人の労働者数の合計数を記入します。

井上とまと

この欄が30人未満になるか、50人未満になるかによって、その後の記入事項が変わってきます。

 

作業の時期

①作業の開始年月日②作業の終了予定年月日は、いずれもそのまま記入します。あくまでも予定です。

 

責任者の情報

①統括安全衛生責任者又は統括安全衛生責任者の職務を行う者の選任②元方安全衛生管理者又は元方安全衛生管理者の職務を行う者の選任は、選任された者の所属と氏名を記入します。今回は、「常時就労労働者数」が80人なので、統括安全衛生責任者と元方安全衛生責任者を選任し、店社安全衛生管理者は選任する必要がありません。

統括安全衛生責任者の選任要件
特定元方事業者であって、同一の作業場所において関係請負人の労働者を含めて、常時次の人数以上の労働者を作業に従事させるものは、その工事現場の安全衛生を統括管理する者として、統括安全衛生責任者を選任しなければなりません。
①ずい道などの建設の仕事:常時30人以上
②橋梁の建設の仕事:常時30人以上
③圧気工法による作業を行う仕事:常時30人以上
④①~③以外の建設業および造船業の仕事:常時50人以上
井上とまと

①~③の仕事においては、前述の「常時就労労働者数」が30人以上なら統括安全衛生責任者を選任しなければならず、④の仕事においては、前述の「常時就労労働者数」が50人以上なら統括安全衛生責任者を選任しなければなりません。

元方安全衛生責任者の選任要件
統括安全衛生責任者を選任した事業者のうち、建設業を行う事業者は、技術的事項を管理する者として、元方安全衛生責任者を選任しなければなりません。
井上とまと

統括安全衛生責任者と元方安全衛生責任者は、セットで選任しますが、造船業の場合は選任義務がありません。

店社安全衛生管理者の選任要件
統括安全衛生責任者と元方安全衛生責任者を選任していない場所で、当該場所で常時作業に従事する関係請負人の労働者を含めた労働者の数が、次の人数である場合に、店社安全衛生管理者を選任しなければなりません。
①ずい道などの建設の仕事:常時20人以上30人未満
②橋梁の建設の仕事:常時20人以上30人未満
③圧気工法による作業を行う仕事:常時20人以上30人未満
④①~③以外の建設業および造船業の仕事:常時20人以上50人未満

 

関係請負人の情報

①事業の種類は、労災保険率適用事業細目表に記されている「事業の種類」の中から、その事業所に該当するものを選んで記入します。

②事業場の名称は、関係請負人の事業場の名称を記入します。

③事業場の所在地は、関係請負人の事業場の住所を記入します。

④備考は、必要な事項があれば記入してください。

 

欄外下

①欄外下の日にちを記入するところには、特定元方事業者事業開始報告を提出する日を記入します。

②左端の「___労働基準監督署長 殿」には、特定元方事業者の事業所がある地域を管轄する労働基準監督署長の名称を記入します。「ウミネコ建設 株式会社」は、大阪府堺市中区にありますから、ここでは「堺」と記入します。

③特定元方事業者職氏名には、特定元方事業者の事業所の名称、事業主の職名、事業主の氏名を記入し、それぞれの事業所または事業主の印鑑を押します。

 


 

以上で、特定元方事業者事業開始報告の作成が終わりました。

統括安全衛生責任者、元方安全衛生責任者、店社安全衛生管理者は、事業の種類や常時使用する労働者数などによって選任要件が異なりますから、それらの選任要件をしっかり確認して、選任すべきかどうかを判断してください。

 

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