監視及び断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請書
労働者を監視および断続的労働に従事させるときに作成する書類が、「監視及び断続的労働に従事させるものに対する適用除外許可申請書」です。
監視に従事する者とは、一定部署にあって監視することを本来の業務とし、常態として身体または精神的緊張の少ないものです。そのため、次のような業務は認められません。
- 交通関係の監視、車両誘導を行う駐車場などの監視のような精神的緊張の高い業務
- プラントなどにおける計器類を常態として監視する業務
- 危険または有害な場所における業務
監視カメラによる構内を監視する者などが、「監視に従事する者」に該当します。
断続的労働に従事する者とは、休憩時間は少ないが手待時間が多い者です。次の業務のうち、行政官庁の許可を受けたものが該当します。
- 寄宿舎の管理人や賄人、修繕係、鉄道踏切番、役員専属自動車運転手など、本来の業務が断続的労働である者
- 常態としては通常の業務をしているが、時間外または休日に宿直または日直の勤務で断続的な業務を行う者
タクシー運転手や常備消防職員などの相当の精神的緊張や危険を伴う業務に従事する者や、新聞配達従業員などは「断続的労働に従事する者」に該当しません。
監視及び断続的労働に従事させるものに対する適用除外許可申請書は、行政官庁に届け出なければなりません。
監視及び断続的労働に従事させるものに対する適用除外許可申請書
それでは、監視及び断続的労働に従事させるものに対する適用除外許可申請書を一緒に作成していきましょう。
今回は、「株式会社 ヤマノ金属」の代表取締役である「山野金男(やまのかねお)」さんをモデルに進めていきます。
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事業の情報
①事業の種類は、労災保険率適用事業細目表に記されている「事業の種類」の中から、その事業所に該当するものを選んで記入します。株式会社 ヤマノ金属は、自動車用の金属部品を製造しています。そのため、事業の種類は「金属材料品製造業」と記入します。
②事業の名称は、その事業所の名称を記入します。ここでは「株式会社 ヤマノ金属」と記入します。
③事業の所在地は、事業所がある場所の住所とその電話番号を記入します。
事業の所在地 店舗、社屋、事務所などを持つ場合は、事業の所在地はその店舗などがある住所を記入します。一方、店舗などを持たずに事業を経営している場合(フリーランスなど)は、自宅などの主たる活動拠点を記入します。 |
監視に従事する者
①業務の種類は、監視に従事する者の要件に適した業務を記入します。身体および精神的緊張の少ない業務でなければなりません。ヤマノ金属では「守衛」を監視の業務としています。
②員数は、①の業務の種類に従事する労働者数を記入します。
③労働の態様は、勤務の時間帯、業務の内容の詳細、実作業時間などを記入します。「守衛所において来客の受付」、「搬出入荷物のチェック」、「出退勤時のタイムカードの整理」、「夜勤の構内巡回」は、いずれも監視に従事する者の要件に適した軽易な業務となっています。
業務の内容 監視するのを本来の業務とし、かつ常態として身体または精神的緊張の少ないものでなければなりません。また、実作業時間は法定労働時間を超えないように設定してください。 |
断続的労働に従事する者
①業務の種類は、断続的労働に従事する者の要件に適した業務を記入します。身体および精神的緊張の少ない業務でなければなりません。ヤマノ金属では「炊事員」を断続的労働の業務としています。
②員数は、①の業務の種類に従事する労働者数を記入します。
③労働の態様は、勤務の時間帯、業務の内容の詳細、実作業時間などを記入します。「朝食は午前6時~8時」、「昼食は午前11時~午後1時」、「夕食は午後5時~午後7時」の「3回の食事の用意を電話や注文票で対応する」など、断続的労働であるということがわかるように記入してください。
業務の内容 監視するのを本来の業務とし、かつ常態として身体または精神的緊張の少ないものでなければなりません。また、実作業時間は法定労働時間を超えないように設定してください。 |
欄外下
①欄外下の日にちを記入するところには、断続的な宿直又は日直勤務許可申請書を提出する日を記入します。
②左端の「___労働基準監督署長 殿」には、その事業所の住所がある地域を管轄する労働基準監督署(長)の名称を記入します。ヤマノ金属は、埼玉県草加市栄町にありますから、ここでは「春日部」と記入します。
③使用者の情報は、事業所の名称、使用者の職名、使用者の氏名を記入し、事業所または事業主の印鑑を押します。
以上で、監視及び断続的労働に従事させるものに対する適用除外許可申請書の作成が終わりました。
監視及び断続的労働に従事させるものに対する適用除外許可申請書を行政官庁に提出し、監視及び断続的労働に従事させるものに対する適用除外が許可されると、その許可の範囲内で労働時間や休日に係る割増賃金の支払い義務がなくなるため、許可に際しては厳密な審査が行われます。