学校長による証明申請書

 

 

満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの児童を使用する場合には、 児童使用許可申請書に加えて、 児童が労働することに対しての親権者または後見人の同意書と、学校長の証明書も提出しなければなりません。

同意書および証明書は、「学校長による証明申請書」を用いることで、まとめて提出することができます。

 

学校長による証明申請書の作成手順

 

それでは、学校長による証明申請書を一緒に作成していきましょう。

今回は、「ベーカリー TOMATO」に新たに雇われることになった中学2年生の「丘花子(おかはなこ)」さんをモデルに進めていきます。丘花子さんは事業主の畑太郎さんの姪っ子で、夏休みの期間だけアルバイトとして雇い入れます。

 

 

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欄外上

①欄外左上の「__中学校長 殿」には、児童が通う中学校の名称を記入します。

②欄外右上の日にちを記入するところには、学校長による証明申請書を提出する日を記入します。

③使用者職氏名は、事業所の名称、使用者(事業主)の職名、使用者(事業主)の氏名を記入し、事業所または事業主の印鑑を押します。

 

児童の情報

①児童の氏名②性別③学年④生年月日は、いずれもそのまま記入します。丘花子さんは、「2年5組」の生徒です。

 

事業の概要

①事業の名称②所在地(電話番号)は、いずれもそのまま記入します。

③事業の種類は、労災保険率適用事業細目表に記されている「事業の種類」の中から、その事業所に該当するものを選んで記入します。ベーカリー TOMATOの事業の種類は「食料品製造業」で、事業の内容は「パンの製造と販売」です。

労働者の人数は、④総数⑤義務教育を修了した者(児童以外の労働者)の数⑥義務教育を修了していない者(児童の労働者)の数をそれぞれ記入します。証明申請書が作成された段階では、丘花子さんはまだ雇入れられていませんから、当然、丘花子さんを除いた労働者の人数を記入します。ベーカリー TOMATOでは、義務教育を修了していないものは雇入れていないため、義務教育を修了した者の欄に「6」と記入し、義務教育を修了していない者の欄に「0」と記入します。

井上とまと

労働者にはあらゆる雇用形態の労働者が含まれます。当然、学生アルバイトの数も含まれます。

 

労働条件の概要

①雇用契約期間は、雇用する期間を定めない場合は「定めない」に○を付けます。一方、期間を定める場合は「定める」に○を付け、その期間を(括弧)に記入します。丘花子さんは、夏休みの期間中だけ雇い入れられる予定です。そのため、「定める」に○を付け、(括弧)には夏休み期間の「令和3年7月25日から令和3年8月31日」と記入します。

井上とまと

雇用する期間を定めない労働契約を無期労働契約といい、雇用する期間を定める労働契約を有期労働契約といいます。いわゆる契約社員や非常勤社員は、有期労働契約の場合が多いです。

②労働時間は、1週間および1日ともに実労働時間を記入します。1日の労働時間は、想定している最長の労働時間を記入し、(括弧)には始業時刻から終業時刻を記入します。丘花子さんは、1日の実働が「4時間(午前9時から午後1時まで)」で、週に4日労働する予定のため、1週間実働は「16時間」となります。

③労働日は、連続して労働させる場合は「連日」に○を付けます。一方、特定の曜日だけ労働させる場合は「毎週  曜日」の空白にその曜日を記入します。また、数日おきに労働させる場合には「  日おき」の空白にその日数を記入します。丘花子さんのようなケース(週に4日労働する場合)は、「連日」に○をつけます。

④休日は、法定労働時間および法定労働日数の限度近くまで労働させる場合には必須ですが、そうでない場合は未記入でも構いません。児童の労働時間については、児童使用許可申請書の記事を確認してください。

井上とまと

映画・演劇の事業において、子役として児童を労働させる場合には、長期間かつ長時間になることもありますから、休日を設定しておいた方がいいでしょう。

⑤⑥賃金は、その児童の労働条件として設定しているものをそのまま記入します。

給与額の算出方法について(
「月給」は1か月ごとに給与額を算出する給与、「日給」は1日ごとに給与額を算出する給与、「時間給」は1時間ごとに給与額を算出する給与、「出来高給」は出来高に応じて給与額を算出する給与で、該当するものにその金額を記入します。
賃金計算の締切日および賃金の支払日について(
支払日は日にちが特定されていなければなりません。「第3水曜日」のように日にちが特定できない表記にしてはなりません。「末日」は月によって28日、29日、30日、31日の違いはありますが、いずれも当該月の最終日ということがはっきりしていますので、日付を特定されているとみなされます。

⑦生徒の就く業務内容は、簡潔に記入します。

労働基準法の定義
労働基準法において、児童の労働は、①非工業的業種の事業であること、②児童の健康及び福祉に有害でないこと、③労働が軽易なものであること、といった条件が明記されています。

 

同意書・証明書

同意書は、児童の親権者または後見人が記入します。証明書は学校長が記入します。

証明書の下部欄の「生徒の修学時間」と、労働条件の概要の「労働時間(1週間の実働時間)」の合計が40時間(法定労働時間)を超えないように注意してください。

丘花子さんの場合は、夏休み期間中に労働するため、生徒の修学時間が実質0時間となり、労働時間(1週間の実働16時間)は法定労働時間を超えません。

 


 

以上で、学校長による証明申請書の作成が終わりました。

満15歳に達した日以後最初の3月31日までの児童を使用する場合には、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書と、親権者または後見人の同意書を事業所に備え付けなければなりません。いずれの書類も提出義務はありませんが、行政官庁の監査が入った場合には、必ず確認される書類になりますので、忘れずに事業所に備え付けておきましょう。

 

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